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習近平国家主席の訪英。とうとう英国原発の中国丸投げについて最終合意

 

 英国を訪問中の中国の習近平国家主席と英国のキャメロン首相は2015年10月21日、英国内で計画中の原子力発電所のプロジェクトにおいて、中国製の原発を採用することについて最終合意に達した。
 先進国において、中国製原発が採用されるのは初めてのケースとなる。英国は、習氏の訪英に対して最大級のもてなしをしており、欧米先進国と中国との関係は新たな段階に入ったことを印象付けた。

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 今回、合意の対象となったのは、英国内に建設を予定している3つの原発プロジェクト。中国はこれらの建設資金を提供し、その見返りとして、英国東部にあるブラッドウェル原発の開発権を得た。中国の国有企業である中国広核集団(CGN)製の原発が採用される。建設はフランス電力公社(EDF)との共同で行われる。中国は、英国の原発に資金提供し、自国製の原発を納入、さらに開発後の運営までトータルに請け負うことになる。

 英国は、かつて中国の人権問題に対して、もっとも厳しく対応してきた国のひとつ。キャメロン首相は2012年の訪中の際、チベット問題を持ち出し中国を激怒させた。またチャールズ皇太子は、チベット仏教の最高指導者で独立運動のリーダーでもあるダライ・ラマ14世と友人であると公言していた。

 中国はこれに対抗し、ドイツやフランスなど中国に対して甘い国に最大限の配慮を行い、英国に揺さぶりをかけてきた。英国内では、対中政策に関する議論が続いていたが、最終的には従来のスタンスから一転、親中国に方針を転換した。原発プロジェクトという、安全保障にも関わる分野で、大胆な中国シフトが行われたことは、こうした英国の状況を象徴している。

 もっとも今回の一連の対応は、英国流の外交テクニックのひとつと解釈することもできる。原子力発電の技術は核開発に直結するため、これまでは国家が厳重に管理するものというイメージが強かった。だが、他の技術と同様、原子力についてもコモディティ化が進んでおり、もはや、特定の先進国しか維持できないものではなくなっている。
 原発プロジェクトを中国に丸投げするという今回の発表は、政治的なインパクトは大きいが、英国にとって実質的な影響は少ない。

 英国の狡猾さは、別の部分でも垣間見ることができる。英国はチベット問題を黙認し、親中政策に舵を切ったが、一方で、習氏の記者会見では英国のジャーナリストが自由に質問することを中国側に認めさせた。会見では、ジャーナリストから手厳しい質問が相次ぎ、習氏は中国の人権問題について「改善の余地がある」と認めざるを得なかった。

 一方で中国に対する最大限の歓迎ぶりを示し、一方で、世界に対して人権国家としてのスタンスをアピールするというのは、英国らしい対応といえるだろう。

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