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世界の警察官であることをやめるという米国の外交戦略はテロでどう変わのか?

 

 過激派組織「イスラム国(IS)」による大規模なテロが発生したことが、オバマ政権の世界戦略に微妙な影を落としている。
 オバマ政権は、米国が世界の警察官として振る舞うことをやめ、中東への関与を減らすことを基本方針としてきた。だが皮肉なことに、米国が介入を抑制したことが、結果的に大規模なテロを引き起こしたようにも見える。地上部隊の投入を含め、米国の強い関与を求める声があるが、オバマ政権は依然として慎重な構えだ。

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 米国のケリー国務長官は2015年11月17日、パリでオランド仏大統領と会談し、ISに対する軍事作戦について協議した。またオランド大統領はロシアのプーチン大統領とも電話会談を行っており、双方が情報共有を強化することで一致した。

 オランド大統領は今月24日にオバマ大統領と、26日にはプーチン大統領と首脳会談を行う予定となっており、当事者であるフランスを中心に、ロシアを含む欧米各国は、対ISで一致した対応を行うことになる。
 ロシアはシリアのアサド政権を支持しており、欧米各国とは異なる立場だったが、対ISという部分では足並みを揃える。テロという非常事態を受け、とりあえず連携を強化する姿勢を示した形だが、オバマ政権は中東への介入強化について引き続き慎重なスタンスを崩していない。

 オバマ大統領は、中東への関与を削減するという方針を掲げて大統領に当選した。中東情勢に深く介入し、世界の警察官として振る舞うというのは、戦後の米国における基本戦略であったことを考えると、オバマ政権の誕生は、米国の安全保障政策を180度転換させる出来事であった。実際、オバマ政権は史上最大規模の軍縮を行い、中東から多くの兵力を撤退させている。
 だが米国が中東への介入を減らした結果、中東情勢は不安定となり、シリアではISが台頭し、今回のテロにつながった。

 米国が中東情勢に介入していた時代には、米国の過剰な介入がアラブ諸国の感情を逆撫でしており、テロのリスクを高めると批判されていた。だが、今度は米国が手を引くと、各国が米国の強い介入を求めるという皮肉な状況となっている。少なくとも、米国が中東に深く介入しているかどうかは、テロの発生とはあまり関係がないようである。

 オバマ政権の任期は残り少なく、大きな政策転換は実施しない可能性が高い。今後の米国がどのように振る舞うのかは、大統領選挙の結果次第ということになるだろう。

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