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迷走する携帯料金引き下げ問題。日本の劣化を示す象徴的な事例

 

 携帯料金の見直しに関する議論が激しさを増している。高市早苗総務大臣は、記者団に対して法的な規制もあり得るとの見解を示しており、携帯電話事業者に対する圧力がさらに高まっている。

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 この議論の発端となったのは、経済財政諮問会議における安倍首相の発言。安倍氏は家計における通信費用負担が増加しているとして、軽減策について検討するよう指示した。これを受けて総務省が有識者会議を開催、具体策についての検討が進められている。

 だが料金見直しに関する議論は迷走している。当初は価格が高いという批判だったが、内容は二転三転し、現在では料金プランが不透明といった議論にすり替わっている。

 現実問題として、日本の携帯電話料金は国際的に見て特別に割高というわけではない。一方、料金プランが不透明で、利用者に選択肢が少ないというのは事実である。
 ただ、国内市場では、思いのほかMVNO(仮想移動体通信事業者)の普及が進んでおらず、利用者がどれほど選択肢の多様性を求めているのかは何とも言えない。
 また、料金プランの不透明性についても、業界内で議論があることは悪いことではないものの、本来は市場で解決すべき問題であり、政権の総力をあげて取り組むようなテーマなのかについては大いに疑問が残る。

 高市氏は、政権内での存在感が今ひとつであり、今回の一件では、かなりの意気込みを見せていると言われる。また安倍政権全体としても、拳を振り上げてしまった以上、どこかで落とし所を確保する必要に迫られている。

 政府の具体的な対応は、有識者会議が12月中にまとめる提言を見てからということになるが、高市氏は、データ通信料が少ない利用者向けプランの改善についてたびたび発言している。おそらくこのあたりが、政府と携帯電話事業者の最終的な妥協点となってくる可能性が高い。

 それにしても、本来、市場で解決できるような課題が、大きな政治問題になっているという状況は、日本の経済システム、政治システムの劣化を象徴しているのかもしれない。

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