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山手線新型車両E235が連続トラブルで運行休止。原因はソフトのバグと思われるが・・・

 

 東京オリンピックを見据え、13年ぶりの刷新と鳴り物入りでデビューしたJR山手線の新型車両E235系でトラブルが続出、運転を見合わせるという事態になっている。ソフトウェアの不具合が原因と思われるが、営業運転再開のメドは立っていない。

jre235

 トラブルが発生したのは2015年11月30日。目黒駅でブレーキ調整がうまくいかず停止位置をオーバーして停車するという事象が発生した。続いて大崎駅でドアが開かなくなり、停車位置を修正させてドアを開けたものの、今度は出発ランプがつかなくなった。
 さらに大塚駅では、運転中にブレーキ異常が発生し、機関士が手動運転に切り替えたものの停止位置よりも手前で停車。車内放送ができなくなり、車内灯が消えた。電源をリセットして復旧させたという。

 一連のトラブルの原因は、新型車両に初めて搭載された次世代車両制御システム(INTEROS)におけるソフトウェアの不具合と考えられている。
 JRでは以前から、列車制御のIT化を進めているが、INTEROSでは一段とIT化が加速している。INTEROSは、荷重の重さ(乗客の数)や外気温、モーターの運転状況などをリアルタイムでモニターし、列車の加速や減速、停止などをコンピュータで制御する。また社内のモニタやエアコンの調整なども一括で制御できる。

 だがソフトウェア化を進めれば、当然バグ(不具合)という問題がつきまとう。JRでは、これまで何度も試運転を行ってきたが、ラッシュ時の運行というもっとも厳しい条件でのテストは行っておらず、多くをコンピューター上のシミュレーションでカバーしてきたとの報道もある。
 自動運転車の開発に際しては、メーカー各社は気の遠くなるような回数の実地テストを繰り返している。鉄道と自動車を単純比較はできないが、報道内容が事実であれば、実地テスト不足であった可能性は否定できない。

 また一部からは、加速、ブレーキ、エアコンなどあらゆる動作がひとつのシステムに集中していることについて驚きの声も出ているようだ。ただ、制御系をすべて一つのシステムに集約するのは、以前のシステムも同じであり、INTEROS特有の問題ではない。
 INTEROSは一種のオープン・システムであり、従来のクローズドな専用システムとは異なり、拡張性が高い構造となっている。バグを考慮した冗長性の高い設計が必要との指摘は出てくるかもしれない。

 このあたりは、今回の不具合の詳しい原因が特定できないと判断することは難しい。鉄道会社単体のトラブルではあるが、これは社会インフラ全体の問題でもある。透明性の高い議論をしていくことが重要だろう。

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