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11月の雇用統計も良好。米国の利上げは確実となり、焦点は今後のシナリオへ

 

 米労働省は2015年12月4日、11月の雇用統計を発表した。 非農業部門の雇用者数は前月比21万1000人増となり、景気判断の節目である20万人を上回った。
 良好な雇用環境があらためて確認されたことから、FRB(連邦準備制度理事会)の利上げはほぼ確実な状況となった。市場の関心は、今後のシナリオへと移ることになる。

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 米国では 新規雇用者数の増加が20万人を超えていると好景気とみなされる。FRB(連邦準備制度理事会)は12月15日・16日に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)において利上げを決断する可能性が高いといわれてきた。FRBのイエレン議長も、各種指標が良好であればという前提条件付きだが、年内利上げを明言している。

 9月の雇用統計は21万3000人増、10月は29万8000人増となっており、雇用が拡大しているのは明らか。7~9月期の実質GDP(国内総生産)は年率換算でプラス2.1%とこちらも良好だった。8月には中国ショックが顕在化していたが、米国経済が内需中心であることなどから、大きな影響は出ていない。11月の失業率は5%と前月比で横ばいだったが、完全雇用は近い。各種指標は12月利上げが確実であることを示していると考えてよいだろう。

 市場はすでに利上げを織り込んだ状態にあるが、今回の雇用統計はそれを裏付けるものであり、市場の関心は利上げの先にシフトすることになる。

 足元の経済環境は良好だが、これは旺盛な米国の個人消費によるものである。一方、世界景気の影響を大きく受ける製造業は、内需中心のサービス業と比較すると状況がよくない。
 米供給管理協会(ISM)が発表した11月の製造業景気指数は前月から1.5ポイント低下し48.6となった。50は景況感の境目とされており、製造業の伸び悩みが顕著となった。

 米国経済が内需中心型といっても、グローバルに展開する製造業は、中国など新興国の景気低迷の影響を受ける。新興国経済の失速が米国経済を直撃する可能性はかなり低くなったが、引き続き、新興国の景気低迷には注意が必要だろう。

 金融政策を正常化するための最大のステップである金利引き上げを無事に実施することができれば、FRBにとって当面の課題はクリアしたことになる。今後は、景気を冷やさないよう、金利引き上げペースをゆっくりとしたものにしていく可能性が高い。
 これに合わせて中国の景気減速もうまく軟着陸させることができれば、来年の世界経済は比較的穏やかに推移することになる。米国の利上げペースに加えて、中国経済の動向についても再び市場の関心が高まってくることになるだろう。

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