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軽減税率は加工食品まで含める形で最終調整。公明が譲れない理由

 

 消費税10%への引き上げに伴って導入が検討されている軽減税率について、自民・公明両党は最終調整の段階に入った。軽減税率の対象を加工食品まで広げるのかについてギリギリまで交渉が行われる見通し。
 軽減税率については反対意見が多いが、公明党にとっては譲れない一線となっている。導入の是非は完全に「政治」マターとなっている。

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 軽減税率は消費増税に伴う低所得者対策として導入が検討されている。生活必需品の消費税を軽減して低所得者への影響を緩和しようという主旨である。だが、制度が複雑になることや、小規模事業者が事務作業に対応できないこと、さらには財源が必要となることから、軽減税率の導入には慎重な声が多い。

 また、軽減税率を導入しても、高額の食料品を購入する富裕層の恩恵が大きく、実質的には低所得者対策にならないとの指摘もある。対象を加工品まで広げた場合、1兆円の財源が必要となることから、財務省も難色を示している。
 しかも、軽減税率導入に必要な財源1兆円のうち、4000億円分については低所得世帯における医療費の自己負担上限制度の見送りで捻出される。つまり、低所得者向けの予算を軽減税率に振り替えているだけであり、実質的に低所得者のメリットはない。

 だが、最終的には加工食品まで含める形で、軽減税率導入が決まる可能性が高くなっている。この件は、公明党にとって譲れない一線であり、自民党は導入を決断せざるを得ない状況だからである。

 公明党は自民党との選挙協力に際して消費増税で妥協した。消費増税に反対意見の多い公明支持者を党が説得したことで現在の連立政権があると公明側は考えている(いわゆる税と社会保障の一体改革)。この時、自公の間で成立したのが、消費増税を認める代わりに、軽減税率を導入するという合意である。つまり、軽減税率が実務上、どの程度の効果があるのかは別にして、完全に「政治」マターの話ということになる。

 自民党としても、来年夏の参院選は、順風満帆とはいかない環境にある。公明党からの選挙協力がないと苦戦する議員は多いだろう。総合的な状況を考えれば、自民党側は軽減税率で妥協する方が得策だ。

 もしかすると自民党は、とりあえず軽減税率導入について公明党と「口約束」だけしておけば、後でうやむやにできると考えていたかもしれない。だが公明党の支持層は、いわゆる無党派層とは異なる。時間が経てば風向きも変わるという考えは通じなかったようである。

 必要とされる1兆円の財源のうち、残りは国債発行でカバーされる可能性も出てきている。財政規律の維持はさらに遠のくことになるだろう。

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