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日本マクドナルドの株式を米本社が今、売却する理由

 

 日本マクドナルドの株式の約5割を保有する米マクドナルドが株式の売却に向けて動き始めた。売却額は1000億円程度になる見込み。商社や投資ファンドが引受先になると見られ、もし実現すれば、米国本体の直轄体制は終了することになる。

mackabu

 日本マクドナルドは、実業家である藤田田氏と米マクドナルドの共同出資で1971年に設立された。2001年にジャスダックに上場した後、2003年に藤田氏との合弁が解消され、米本社が直轄する体制に移行した。

 2004年には現ベネッセホールディングス会長の原田泳幸氏がトップに就任し、同社の事業構造を大きく転換させた。原田氏は、100円コーヒーなど割安な目玉商品で顧客を集めると同時に、商品メニューの見直しを行い、客単価を大幅に引き上げた。また直営店中心だった体制をあらため、フランチャイズの比率を向上させ、本体の高収益化を図った。
 原田氏は一度はV時回復を果たしたものの、割安な商品で顧客を集め、実質的には高い価格で商品を提供するという戦略はやがて行き詰まり、業績は再び低迷した。原田氏は2014年に同社を退任している。

 その後、米本社から派遣されたカサノバ氏がトップに就任したが、2014年7月に期限切れ鶏肉の問題が発生、さらに2015年1月には異物混入問題が表面化し、業績はさらに悪化した。2015年12月期は、前期に引き続いて380億円の損失を計上する見込みとなっている。

 米本社が売却を決断したのは、足元の業績が低迷していることに加え、長期的に成長が見込めないと判断したことが主な理由と考えられる。だが、最大の理由は、現在の株価である可能性が高い。
 現在、同社の株価は足元の業績とは正反対に過去最高水準で推移しており、今、株式を売却すれば米本社は大きな利益を得ることができる。本社直轄体制を終了させ、日本法人を単なるパートナーにした方が得策と判断した可能性が高い。

 現在、業績が低迷しているとはいえ、同社には高いブランド力と巨大な店舗網がある。日本国内には目立った投資先がなく、商社やファンドは投資先の確保に苦労している。株式を引き受けたい企業は多数出てくるだろう。
 同社の経営は、株式を取得する企業次第だが、もし同社の株価が今がピークであれば、米本社は最高のタイミングで売り抜けたということになる。

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