ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

三菱重工に異変?大型客船の巨額損失に続いて、今度は国産ジェットで4度目の納入延期

 

 日本のもの作りを象徴する企業の一つである三菱重工で、相次いで異変が起こっている。米国のクルーズ会社から受注した大型客船の納期を3度に渡って延期し、すでに受注額を超える特別損失を計上したことに加え、今度は、三菱リージョナルジェット(MRJ)の4度目の納入延期を発表した。

mitsubishi201601

 特別損失を計上したのは、米国のクルーズ会社であるカーニバル社から2011年に受注した2隻の客船。総トン数12万5400トン、3300人乗りの大型船で、本来であれば2015年3月に納入する予定だったが、2014年10月にこれを2015年9月に延期すると発表。2015年9月に今度は12月に再延期すると発表したものの、さらに2016年3月まで延期する見込みである。

 今回受注した船は、カーニバル社における新型船の1番船と2番船であり、今後の継続受注を獲得するための戦略的プロジェクトと位置付けられている。1番船は仕様変更などのリスクがあり、そのあたりも考慮した価格設定を行うのが普通といわれているが、同社は、今後の継続受注を優先し、あまり細部を詰めずに受注したともいわれている。

 結局、カーニバル側が求める仕様に合致せず、工事のやり直しが続出、すでに1000億円の損失を計上する状況となっている。2隻合計の受注金額が1000億円なので、すでに受注金額と同じレベルの損失が出ている計算となる。

 これに続いて同社傘下の三菱航空機が2015年12月24日、国産ジェット旅客機「MRJ」の納入予定を当初の2017年4~6月から2018年半ばに延期すると発表した。納期の延長はこれで4度目である。
 同機は初飛行には成功しているが、主翼が必要な強度に達しておらず、型式証明を取れないことが判明したことで業務が遅延している。このほかソフトウェアや、車輪などの部分において仕様変更の可能性があるという。

 MRJは、リージョナル・ジェットというカテゴリーの航空機だが、この分野にはブラジルのエンブラエル社という強力な先行者がおり、後発の三菱は当初から厳しい立ち位置にいる。エンブラエル社は2020年に新型機を投入する予定となっており、三菱としては、それまでの間にMRJを投入するという戦略を描いていた。

 もしこれ以上、納期延長が続くことになると、エンブラエル社との新型機と直接競争する必要が出てくる。同社は2020年度にMRJの事業を黒字化させるという目標を掲げているが、実現がかなり厳しい状況になってきたようだ。

 航空機と大型客船は、三菱重工が今後の生き残りをかけた戦略事業と位置付けた分野である。場合によっては、同社の長期戦略そのものに見直しが必要となるかもしれない。

 - 経済 , ,

  関連記事

zangyou
米国人は仕事中毒?休暇中もノートパソコンを叩く人が増加中

 米国では休暇先にパソコンを持ち込み、仕事をする人が増えているという。日本では残 …

kuroda
黒田日銀総裁が正式決定。これまで白川路線に賛同していた政策委員は意見を変える?

 参議院は3月15日午前の本会議で、日銀の正副総裁人事を可決した。総裁には黒田東 …

nichigin04
家計の金融資産は1700兆円を突破。株式は3年で2倍になった

 日銀は2015年6月29日、1~3月期の資金循環統計を発表した。3月末の家計に …

mizuho
新みずほ銀行がようやく発足。だが失われた10年はあまりにも長い

 みずほフィナンシャルグループのみずほ銀行とみずほコーポレート銀行が7月1日合併 …

gajoen
都心部で大型不動産をめぐるマネーの動きが活発化。ようやくバブルの闇が消える?

 東京の不動産取引が活発になってきている。量的緩和策によるインフレ期待を背景に、 …

rakutenamazonyusi
楽天、アマゾンの出店者向けローンが、地銀再編の起爆剤に?

 楽天やアマゾンなどネット通販各社が、自社サイト出店者向け事業者ローンの拡大を進 …

ecb
失業率の悪化で国民の不満が爆発。欧州で緊縮策の一時棚上げが急浮上

 景気低迷と失業率の低下に歯止めがかからない欧州で、緊縮策を一時棚上げし、景気対 …

teinensaikoyou
定年後再雇用の賃金格差は違法との判決。司法判断定着なら、現役世代の年収が減少?

 定年退職後の再雇用において年収を引き下げることは違法だとする東京地裁の判決が下 …

MADEINUSA
米国で進む製造業回帰。背景にあるのは新興国の労働コストとシェールガス革命

 米国で製造業への回帰が進んでいる。主役となっているのは重電や化学などいわゆる重 …

wallst02
8月の雇用統計は市場予想を下回るもまずまず。9月緩和縮小の可能性は引き続き高い

 米FRB(連邦準備制度理事会)における緩和縮小の判断材料となる最新経済指標がほ …