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企業倒産が激減。日本経済は事実上、機能不全を起こしている?

 

 企業の倒産件数の減少が進んでいる。2015年はバブル期の頂点だった1990年以来の低水準になる可能性が高い。企業の倒産を防ぐ、中小企業金融円滑化法の影響が続いていることが直接的原因だが、日本経済が活力をなくし、新陳代謝が進まなくなっているという構造的要因もある。

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 東京商工リサーチがまとめた2015年11月の倒産件数は711件で、8カ月連続で前年同月を下回った。11月としては1990年以来の低い水準。2015年は全体で9000件を下回る見込みで、こちらも25年ぶりの低水準となる可能性が高い。

 倒産が減っている直接の原因は、2009年に導入された中小企業金融円滑化法の影響である。この法律は中小企業が返済条件の変更(リスケジュール)を申し込んだ場合には、金融機関は可能な限り金利の減免や返済期限の見直しに応じなければならないというもの。法律自体は2013年3月に終了しているが、同じようなスタンスの融資が続いており、これに伴って倒産件数も減少の一途を辿っている。

 一般的に企業は不景気だと倒産すると思われているが、必ずしもそうとはいえないい。確かに大型倒産は不況時に発生するので世間の目に付きやすいが、景気拡大局面の時にも倒産が増加する傾向が見られる。その理由は景気が上向くと銀行の引き当て余力が大きくなることに加え、経営者も前向きに倒産を決断しやすいからである。

 逆に不景気の時には、こうしたメカニズムが働きにくく、経営不振の企業は思いのほか延命してしまう。つまり企業の倒産は、経済の新陳代謝を促すという前向きな役割も担っていることが分かる。
 その点で考えると、近年、倒産件数が激減しているというのは、どう解釈すればよいのだろうか。日本の景気がバブル期並みに過熱しているわけではないことは明白であり、そうなってくると、新陳代謝が不活発であるという可能性が濃厚になってくる。つまり、倒産件数の減少は、日本経済が構造的に機能不全を起こしていることの象徴かもしれないのだ。

 日本企業の業績が拡大しているのは、円安によって名目上の売上高が増加しているからである。しかし数量ベースでの企業活動は活発化しておらず、人件費の削減で利益を捻出しているというのが実態である。このシナリオには持続性がなく、円安がストップすると業績拡大も終わってしまう。

 もともと日本における開業率や廃業率は低く、経済が構造転換するスピードは遅い。バブル崩壊以後、その傾向にさらに拍車がかかっており、日本企業は従来型のビジネスモデルに固執し続けている。
 このまま企業倒産が少ない状況が続けば、構造転換がさらに遅れ、ゆっくりとしたペースでパイの縮小が進むことで、ジワジワと経済を蝕んでいく可能性が高い。

 一時期、日本経済は「ゆでガエル」と揶揄されたことがあったが、その状況はますます顕著になっているのかもしれない。

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