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原油価格の下落は、世界経済にとってプラスなのかマイナスなのか?

 

 安い原油価格を背景に、米国で自動車が好調な売れ行きを見せている。原油価格の下落は市場に動揺をもたらすが、先進国経済の底上げ効果もある。世界経済はしばらくの間、原油価格をめぐって綱引きが続きそうだ。

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 米調査会社オートデータが2016年1月5日に発表した2015年の米新車販売台数は前年比5.7%増の1747万台となり過去最高を更新した。ガソリン価格の低下を背景に燃費の悪い大型者の売れ行きが好調なことが主な要因。

 GM(ゼネラル・モーターズ)は前年比5.0%増、フォードは5.3%増だったが、特に注目すべきなのはクライスラーのブランドを持つFCAで、大型車ジープの売上げが好調で7.3%増となった。
 日本勢も同様でトヨタが5.3%増、ホンダは3.0%増、日産は7.1%増、スバルは13.4%増だった。トヨタ以外の3社は過去最高水準である。

 米国で新車販売台数が伸びているのは、人口増加に加えて、原油価格の低下によってガソリン価格が大幅に下落してることが主な要因。米国では原油価格が1ドル下がると消費が1%伸びるといわれているが、2015年はこうした効果が顕著だったということになる。

 原油価格の下落は産油国にとっては打撃だが、先進国経済を底上げする効果がある。基本的にエネルギーの多くを輸入に頼る欧州や日本にとっては、基本的にプラス効果のみということになる。一方、米国は少々事情が異なる。
 米国は世界最大の石油消費国だが、世界最大の産油国でもあり、プラス・マイナス両方の綱引きとなる。原油安を背景とした消費の拡大が続けば、米国経済は堅調に推移することになるが、シェールガス事業者など、石油関連産業にとっては痛手だ。

 また、原油価格の下落は、資源国からドル資金を流出させ、市場の混乱につながってくる。市場のボラティリティが高くなり、これが実体経済に影響する形になると、先進国にとってもマイナスの影響が大きくなってくるだろう。米国の株式市場も、原油価格が持つ二つの側面をめぐり、揺れている状況である。

 中・長期的には原油安の効果が上回ってくる可能性が高いが、短期的には市場の動きに注意が必要となるだろう。

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