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台湾総統選挙で民進党が圧勝。議会も過半数となるのは分離以後初めて

 

 台湾で2016年1月16日、総統(大統領)選挙が行われ、野党・民進党の蔡英文主席が与党・国民党の朱立倫主席を大差で破った。
 同時に立法院(議会)選挙も行われたが、こちらも民進党が過半数を獲得している。総統選挙と立法院選挙の両方で民進党が勝利するのは初めてのことであり、今回の選挙は歴史的なものとなった。

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 台湾では、2000年に民進党の陳水扁氏が総統に就任し、独立運動が最高潮に盛り上がった。しかし議会では依然として国民党が勢力を握っていたことから、思うように改革は進まず、陳氏の金銭スキャンダルが取り沙汰されたことをきっかけに民進党は急速に支持を失った。次の総統選挙では国民党の馬英九氏が当選し、同党は再び政権に返り咲いている。

 国民党は、中国と対立する従来の路線をから、中国との融和路線に転換し、台湾独立運動は勢いを失ったかに見えた。この間、中国はめざましい経済成長を実現しており、台湾と中国の立場は完全に逆転していたからである。
 しかし、中国の経済力が圧倒的になったことが、逆に台湾人の独立心に火を付けることになった。

 2014年3月には、中台間のサービス貿易協定調印に反対する学生が立法院を占拠するという事件が発生したが、馬政権はこれに抗しきれず、一部譲歩を迫られている。馬政権は支持率回復を狙い、昨年11月、中国の習近平国家主席と歴史的な首脳会談を実施したが、かえって逆効果になってしまったようだ。

 国民党は馬氏の後継者選びでも二転三転し、結局、総統選挙と議会選挙の両方で大敗するという結果になった。
 ただ、今回の選挙で台湾の独立運動が一気に進む可能性は低い。陳氏と異なり、蔡氏はかなりの現実主義者といわれており、民進党の対中政策は、中国にも取り込まれないが、明示的に独立もしない「現状維持」が基本である。

 これまで半導体やコンピュータのハードウェアに依存してきた台湾経済はこのところ不調で、国内には外交以外の問題が山積している。民進党としては、初めてのねじれ状態の解消であり、当面は、国内問題の解決に力を割く可能性が高い。中国との関係が再構築される可能性があるとすると、その先ということになるだろう。

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