ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

アップルの四半期決算。過去最高の売上高だが中国市場は急減速

 

 米アップルの業績が大きな曲がり角に差し掛かっている。数字上は四半期ベースで過去最高の売上高だが、中国でのiPhoen販売が思いのほか伸びなかったことで、売上高の増加ペースが大幅に鈍化した。

apple2016q1

 同社は2016年1月26日、2015年9~12月期の決算を発表した。売上高は前年同期比1.7%増の758億7200万ドル(約8兆9600億円)、純利益は1.9%増の183億6100万ドル(約2兆1700億円)とほぼ横ばいだった。
 同社は2015年の第一四半期から連続で20%以上の大幅増収を続けてきたが、ここに来て売上高の増加ペースが急減してしまった。営業利益に至っては0.3%のマイナスである。

 業績鈍化の最大要因は中国市場での伸び悩み。同社は2014年1月からチャイナモバイル経由での販売を開始し、中国での販売実績を急速に伸ばしてきた。2015年に入っても、新型のiPhone6の販売が好調で、前期(2015年7~9月期)における中国の販売実績は前年同期比で2倍となった。

 だが今期の中国向け販売は前年同期比で13.8%と伸び率が大幅に縮小した。北米向けは4.1%のマイナス、日本向けは12%のマイナスであることを考えると、まだまだ伸びているが、これまでの期待値の高さから考えると大きな減速といえる。

 中国経済が急激に失速したこともあり、2015年における中国のスマートフォン市場はほぼ横ばいで推移している。市場全体が伸びない中でiPhoneだけが伸び続けるというシナリオはさすがに描きにくい。
 また、中国では小米(シャオミ)など国産の低価格スマホのシェアが拡大しており、これがアップルにとっての脅威になっている。iPhoneは中国の消費者にとって超高額商品であり、所得が伸び続けないと購買を維持することが難しいからだ。

 中国市場を攻略するため、中国人が好むゴールド色を新型のiPhone6sに集中させる戦略を採用するなど工夫を凝らしているが、それでも購買力には限界がある。今後、大きく中国経済が成長しない限り、従来のような倍々ゲームは期待できないだろう。

 同社は、これまで何度も、そろそろ普通の会社に変わるのではないかとの予想が市場で囁かれても、よい意味で、毎回、期待を裏切り続けてきた。今回の変調の兆しはいよいよホンモノなのかもしれない。

 - 経済, IT・科学 , ,

  関連記事

ieren201409
絶妙だったイエレンFRB議長の株高発言。金利引き上げタイミングは中立になった

 米FRB(連邦準備制度理事会)のイエレン議長は2015年5月6日、米国株式市場 …

kokusaishushi201402
経常赤字体質への転換を受け、政府は海外資本の誘致に舵を切り始めた

 財務省は2014年4月8日、2014年2月の国際収支を発表した。最終的な国の収 …

apuruwochi
4~6月期決算が絶好調なのに、アップルの株価が大幅下落となった理由

 米アップルは2015年7月21日、2015年4~6月期の決算を発表した。売上高 …

ge
米国の製造業回帰が効果を上げ始めた。だが一方でその波に乗れない人も

 中国から製造拠点を米国に戻す試みが成果を上げ始めている。米ゼネラル・エレクトリ …

g20wasinton
G20が閉幕。隠れた主要議題アジアインフラ投資銀行については言及なし

 日米欧と新興国の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は2015年4 …

kokusaishushi201403
3月の経常収支は黒字。赤字拡大ペースの鈍化で為替は凪?

 財務省は2014年5月12日、2014年3月の国際収支を発表した。最終的な国の …

apple
アップルの4~6月期決算。中国向けiPhoneが引き続き堅調であることを確認

 米アップルは2014年7月22日、2014年4~6月期の決算を発表した。売上高 …

abe20130113
安倍首相がハイパーインフレにはならないとの見解。だが本当にそうなのか?

 安倍首相は11日の記者会見で、日銀の金融政策に関連して「ハイパーインフレは考え …

furunreport
中国版フォーブスと呼ばれる最新の長者番付。米国の資産家の水準に近づく

 中国の民間調査会社である胡潤研究院は、中国の大富豪ランキングである「胡潤百富( …

nichigin03
6月の日銀短観。改善が見られるが、大企業中心の産業構造を如実に反映

 日銀は7月1日、6月の企業短期経済観測調査(短観)を発表した。企業の景況感を示 …