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中国人民解放軍が大規模な組織改編。軍の近代化と地域利権の排除が狙いか?

 

 中国人民解放軍は2016年2月1日、従来の軍区に代わり、新しく戦区という区域を設ける組織再編を行った。各地域の独立性を弱め、党中央が全体を掌握できる体制を目指す意図があると考えられる。

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 中国国営中央テレビ(CCTV)によると、これまで人民解放軍には、北京、瀋陽、蘭州、済南、成都、南京、広州という7つの軍区があった。しかし、習近平指導部は、従来の軍区について、東部、西部、南部、北部、中部という5つの戦区に改変した。

 人民解放軍は各軍区の独立色が極めて強く、地域ごとに展開する複数の軍隊の集合体という性格が濃かった。これは共産党による革命が実施された時からの名残りともいえる。また人民解放軍は単なる軍隊ではなく、外食産業までも手がける巨大財閥であり、各地の経済活動に密接に関わっている。

 このため党中央が決定しても、各地の軍がそれに従わないというケースがあり、歴代の指導部は軍の掌握に腐心してきた。習近平政権は、当初、江沢民元国家主席を中心とする上海閥と呼ばれる勢力の後押しで成立したが、権力を掌握した習氏は、江沢民グループを排除することで、より独裁色を強めることに成功している。

 今回の人民解放軍の組織改編も、習指導部による権力集中の一環と考えられる。各戦区の司令官は、中央軍事委員会の決定に従い、具体的な戦略を立案する作業に専念し、各部隊を直接指揮することはしない。

 現地に展開する各部隊は、ユーザーである司令部が求める能力を提供する役割を持つ説明されており、これは現代の軍隊で採用されている「フォースユーザー」と「フォースプロバイダ」の関係に近い。
 状況に応じて臨機応変に部隊を展開できる体制を構築することで、中国の軍隊を近代化すると同時に、各軍区が持つ利権の排除を狙った措置である。

 新しく成立した戦区は地域の名称となっているが、実際には機能別の区分と考えてよい。東部戦区(南京)は東シナ海(日本、台湾、朝鮮半島)における有事対応、南部戦区(広州)は南シナ海の有事対応、北部戦区(瀋陽)はロシアと北朝鮮方面の対応、西部戦区(蘭州)は中央アジアのイスラム・テロ対策やチベット問題への対応、中部戦区(北京)は首都防衛が主な任務となる。

 一連の改革がうまく進んだ場合には、人民解放軍の近代化がさら進む可能性が高い。また党中央の意向に沿って迅速に動くことになるので、スピード感が増すことになるだろう。
 一方、地域の利権配分によって成り立ってきた軍の秩序が崩れる可能性もあり、場合によっては不安定化要因になるかもしれない。日本など周辺の国は、しばらくの間、状況を注視することになる。

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