ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

米雇用統計は大幅減だが、失業率低下と賃金上昇でインフレ圧力も高い

 

 米労働省は2016年2月5日、1月の雇用統計を発表した。代表的な指標である非農業部門の雇用者数は前月比15万1000人増となり、景気判断の節目である20万人を下回った。
 米国景気の先行きに対する懸念材料となる一方、失業率は4.9%となり、ほぼ完全雇用となった。また賃金の上昇が著しくインフレ懸念もある。市場では、雇用者数よりも賃金や失業率に焦点が当たっており、利上げ観測が高まっている。

usakoyoutoukei201601
 米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は昨年12月、短期金利の指標となるフェデラルファンド金利(FF金利)の目標を0.25%引き上げ、約9年半ぶりの利上げに踏み切った。
 当初は年4回程度の利上げが想定されていたが、世界的な株安などを受けて利上げペースの鈍化、あるいは利上げの一時棚上げなどが、意識される状況となっていた。

 今回の雇用統計は、新規雇用者数の増加だけを見ると景気減速懸念が見られるという解釈になる。ただ、過去3カ月の平均値は20万人を超えていることや、年末商戦の反動である可能性も残されており、確かなことはまだ分からない状況だ。

 一方、賃金は引き続き上昇傾向が顕著となっている。平均時給は25.39ドルと前月に比べ0.5%増えたほか、前年同月比では2.5%ほど伸びている。低い失業率と賃金の上昇を考えるとむしろインフレ懸念が高まっていると解釈することもできる。

 とりあえずの市場の反応は利上げが意識された。雇用統計が発表された5日のダウ平均株価は3日ぶりに反落し、211ドル61セント安(1.3%安)で引けた。
 米国は堅調な内需が経済を支えており、中国など新興国経済の影響を受けにくい。だが製造業を中心とするグローバル企業や原油価格への依存度が高い石油業界などは、現在の状況では業績への下押し圧力となる。
 こうした企業の業績悪化が、経済全体に波及してくることになると、好調な米国経済も減速傾向を強めるかもしれない。

 米国の利上げペースが本当に鈍化するのかについては、内需を支える非製造業の状況を見てからの判断となるだろう。現在、中国が春節(旧正月)の最中ということもあり、今週は様子見となる可能性が高い。

 - 経済 , ,

  関連記事

gaikokujin
訪日外国人1000万人時代が到来。だが日本は本当に観光立国を目指しているのか?

 政府観光局は2014年1月17日、2013年の訪日外国人数が1036万人だった …

mizuho
新みずほ銀行がようやく発足。だが失われた10年はあまりにも長い

 みずほフィナンシャルグループのみずほ銀行とみずほコーポレート銀行が7月1日合併 …

matsuura
エイベックス松浦氏の富裕層イジメ発言を評価する際に注意すべき点とは?

 エイベックス・グループ・ホールディングス社長の松浦勝人氏による、日本は富裕層に …

KONICA MINOLTA DIGITAL CAMERA
脱原発のモデルといわれたドイツで電気代高騰。日本人が知っておくべきこととは?

 再生可能エネルギーへの転換を旧ピッチで進め、日本における「脱原発」論のモデルと …

tsubaki
資生堂が初の本格的な社長外部招聘。お公家さん社風は変わるのか?

 資生堂は昨年末、前田新造会長兼社長が代表権のある会長に専念し、元日本コカ・コー …

kuroda02
日銀サプライズ追加緩和。長期金利を意識したものだった可能性も

 日銀は10月31日の金融政策決定会合において、追加の量的緩和策を決定した。追加 …

amazondorone
民泊にドローン宅配。規制緩和は特区限定で、なぜか外資系企業ばかり

 政府は、国家戦略特区において小型無人機ドローンによる宅配を認める方針を固めた。 …

no image
米国の大手書店でカード読取機が改ざん。カード情報が不正に流出

 米国の書店大手バーンズアンドノーブルは24日、全米の63店舗でカード読取装置が …

gosuto
佐村河内氏のゴースト問題がホリエモンに飛び火。出版業界は戦々恐々!

 聴覚障害を持つ作曲家として知られていた佐村河内守氏によるゴーストライター問題が …

tokyowan
企業の設備投資予定額が大幅増。だが公共事業の影響も大きく継続性があるかは不明

 日本政策投資銀行は8月5日、2013年度の設備投資計画に関する調査結果を発表し …