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EUは英国離脱回避のため妥協。だが国民投票はどう転ぶか分からない

 

 EU(欧州連合)は2016年2月19日、ブリュッセルで首脳会議を行い、英国のキャメロン首相が求めていたEU改革案について合意した。EU域内で移民が増加した場合は、移民への社会福祉を制限する措置を認める。

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 英国は、EUに残留するか離脱するかで国民的な議論となっており、6月23日には国民投票が実施される。キャメロン氏は英国の離脱を防ぐためには、英国が求める改革案をEUが認めることが重要と主張していた。今回、合意に達したことで、とりあえず英国の主張が通った格好だが、国民投票がどのような結果になるのかは不透明だ。

 英国ではEUの巨大な官僚組織が内政に干渉してくることを嫌う風潮が強い。また他の欧州各国と比較して経済が好調であることから、移民の流入も多い。英国内には、移民に職を奪われていると考える人も多く、EUからの脱退を主張する勢力は英国の政界で一定の影響力を持っている。

 EUへの残留を主張するキャメロン氏は、EU離脱組からの反発もあり難しい政権運営を余儀なくされていた。このためキャメロン氏は、自身の政権が続いた場合には国民投票を実施するという公約を掲げ、この政局を乗り切るという賭けに出た。今のところ、これは功を奏しており、2015年の総選挙では保守党は圧勝となり、キャメロン氏の基盤は強化された。

 英国が求めるEU改革案を受け入れなければ英国内の世論を説得できないとするキャメロン氏の強硬なスタンスに、とりあえずEU側が折れた格好だ。ただ、本当に国民投票でEU残留を決定できるのかは何ともいえない。

 キャメロン氏の後継者の一人とも言われ、国民からのカリスマ的な人気を誇るジョンソン・ロンドン市長は21日、国民投票ではEU離脱を支持すると表明した。これまでジョンソン氏は、態度を保留してきたが、今回の合意をきっかけにEU離脱派に回ってしまった。

 世論調査ではEU残留の方が上回っており、実際に投票となれば現実的な選択をするとの見方は根強い。だがジョンソン氏が結局、離脱支持に回ったということは、離脱派の影響力が大きいことの裏返しでもある。欧州では6月まで落ち着かない日々が続きそうだ。

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