ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

春闘を控えベア抑制の動き。個人消費には逆風で、GDPへの悪影響は必至

 

 春闘の季節が近づいているが、ベースアップを抑制する動きが出てきている。各社にはそれぞれの事情があるが、業績に対する不安が存在しているのは共通である。

kyuyomeisai02

 トヨタ自動車はの労働組合は、今年の春闘ではベースアップ(ベア)について月額3000円とした。ベアの要求自体は3年連続だが、昨年の要求額は6000円だったので、半分の水準ということになる。
 同社は過去最高益となっており、賃上げの原資がないわけではない。だが、業績拡大の恩恵が下請けにまで広がっていないという現状を考え、本体の賃金は抑制する方向性だ。
 最高水準の業績を誇る同社のベアが前年比で半額ということになると、各社の春闘にも大きく影響してくるだろう。

 三井住友銀行の労組はベアそのものを見送る。日銀によるマイナス金利の導入で銀行の収益悪化が懸念されていることが要因。預金金利の引き下げなど顧客に負担を押し付けている面も否定できず、世論の風当たりも考慮した可能性が高い。
 電機大手労組も前年の半額程度の要求にとどまる見込みで、業績が悪化しているシャープと東芝は春闘から離脱し、ベア要求も行わない。

 各社それぞれの事情があるものの、背景にあるのは全体的な業績悪化懸念である。世界経済の停滞を懸念し株式市場は軟調な展開が続いており、為替市場では円高が進んでいる。このままの状態が続くと、円安頼みだった日本企業の業績は確実に伸び悩む。

 人件費の上昇を抑制しようという企業の行動はある意味では正しいが、少々やっかいな状況も引き起こす。このところ消費に黄色信号が灯っており、ベア抑制によってこれが一気に悪化する可能性が出てくるからである。

 10~12月期のGDP(国内総生産)は今期2回目のマイナス成長となった。マイナス成長自体はやむを得ないとしても問題はその中身である。設備投資や政府支出の抑制が原因であればまだマシだが、マイナス成長に陥った最大の要因は消費の低迷であった。

 家計の実質消費は、何と21カ月連続の前月割れとなっている。その原因は労働者の実質賃金が減少しているからである。賃上げがあったとしても物価上昇分に追い付いておらず、家計は支出を引き締めざるをえない。
 ここで賃上げがさらに抑制されるということになると、今後のGDPはさらに厳しい状況となるかもしれない。

 - 経済 , , , , ,

  関連記事

airasia
大国になりたい中国。旅行客のマナーの悪さに対して政府が対策に乗り出す?

 中国人旅行者のマナーの悪さは今に始まったことではないが、大国として相応の地位を …

abekaisan20141113
7~9月期のGDPは予想通り思わしくない可能性が大。増税スキップは政治判断へ

 11月17日に発表される7~9月期の実質GDPの数字が思わしくない可能性がさら …

naiburyuuho
希望の党のトンデモ公約で、再び企業の内部留保が注目の的に

 企業の内部留保の問題に再び焦点が当たっている。日本企業が多くの現預金を活用でき …

maxcrunch
外国製の安価な菓子類が徐々に日本市場に進出。これは成熟国家日本の宿命である

 長らくガラパゴス状態が続いてきた日本の菓子市場に風穴が開きつつある。100円均 …

ichimanen
インフレが進むと実質的に増税となる「インフレ課税」って何だ?

 消費税増税を最終判断する時期が近付いてきたことで、増税の是非に関する議論が活発 …

g20german
G20の声明文から反保護主義の文言が消滅。今後は露骨なパワーゲームの時代へ

 ドイツのバーデンバーデンで開催されていたG20(主要20カ国の財務相・中央銀行 …

businessman04
駆け込み需要で絶好調な1~3月期GDP。10%増税と追加緩和への影響は?

 内閣府は2014年5月15日、2014年1~3月期の国内総生産(GDP)の速報 …

bouekitoukei201303
円安の効果も半減?日本の輸出数量減少に歯止めがかからない!

 財務省は4月18日、3月の貿易統計を発表した。輸出額から輸入額を差し引いた貿易 …

yukashi03
このタイミングでアブラハム社が行政処分となった背景は何か?

 証券取引等監視委員会が投資助言会社アブラハム・プライベートバンクを行政処分する …

tokyowan
10~12月期GDPはマイナス成長。打つ手がなく、日本経済はいよいよ袋小路に

 内閣府は2016年2月15日、2015年10~12月期のGDP(国内総生産)速 …