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国内唯一のワインファンド会社が破産。投資家には虚偽報告の可能性

 

 ワイン投資ファンドを運営する株式会社ヴァンネットが東京地裁に自己破産を申請したことが明らかになった。同社は、ワインの売買について虚偽の報告をしたとの理由で関東財務局から第二種金融取引業の登録取り消し処分を受けている。今回、破産となったことで、40億円近い出資金が返還されない可能性が出てきた。

winefund

 ヴァンネットは2000年に設立された企業で、日本で唯一、高級ワインに投資するファンドを運営している。フランス産を中心とする高級ワインは、新興国の経済規模の拡大などを背景に、一貫した値上がりが続いており、海外では投資目的で大量購入する人も多い。
 同社は、こうしたワインの価格特性に目を付け、ファンドという形で広く個人投資家から資金を集め、ワインによる資金運用を行っていた。

 帝国データバンクによると、延べ1989名の出資者から総額77億4600万円の資金を集めていた。償還されていない出資者は523名残っており、未償還の出資金は約36億7372万となっている。単純計算では1名あたり700万円の出資金が戻っていないことになる。

 弁護士による調査を実施した結果、投資対象のワインの商品在庫が激減していたという。詳細は不明だが、おそらく、出資者に配当や償還を行う必要性から、他のファンドの資金を流用したり、本来は保有していなければならないワインを売却してしまったものと思われる。

 確かにワインに対する投資利回りは非常に良好であり、ワイン投資で成功している人もいる。しかし、一般的な金融商品と異なり、ワインのような実物資産は流動性が低い。つまり売りたい時に売りたい値段で売れる保証がない。
 このため、出資者からの解約が相次ぐといった想定外の事態が発生すると、キャッシュをすぐに用意できず、結果的に大幅な安値でたたき売らなければならないといった状況に陥るリスクがある。

 今回のケースは、投資家に虚偽の報告を行っていたということなので、最初から意図的に高い利回りになるよう利金流用を行ったのか、あるいは、こうした想定外の事態で発生した欠損を隠す目的で虚偽の報告をしてしまった可能性が高い。

 ファンドの運用者がこうした不正をするかどうかは、運用者自身のモラルにかかっており、100%防ぐ方法はない。これは東芝やオリンパスの不正会計問題にもつながる構図であり、投資家側がコントロールすることができないリスクということになる。

 多くの投資家は、有名企業だから安心といった曖昧な理由で投資をしているというのが現実といってよいだろう。
 ヴァンネットについては、新しくできた会社だったためこうした社会的な信用はなかった。だが国内で唯一のワイン・ファンドということで知名度が高かったことや、著名な個人資産運用アドバイザーが同ファンドを推奨していたこともあり、結果的に大きな被害となってしまったようだ。

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