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機械受注は過去最大の伸びだったが、あくまで特殊要因。実態はマイナス

 

 設備投資の先行指標となる機械受注が11年ぶりの良好な数字となった。だが特殊要因が大きく、これを除くと実態はむしろマイナスである。設備投資の状況は依然として厳しいと見た方が自然である。

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 内閣府は2016年3月14日、1月の機械受注統計を発表した。機械受注は設備投資の先行指標といわれており、GDP(国内総生産)における設備投資の基礎データにもなっている。
 2015年10~12月期のGDPはマイナス成長となっており、1~3月期についても厳しい数字になるとの見方が強まっている。2期連続でマイナス成長ということになると、アベノミクスそのものに疑問符が付きかねない状況だ。このため、1月の機械受注統計については多くの関係者が注目していた。

 結果は一見すると非常に良好なものであった。主要指標である 「船舶・電力を除く民需」(季節調整済み)は前月比15%増と予想をはるかに上回った。比較可能な2005年以降では最高の数字であり、メディアには「設備投資が過去最高」といった見出しが並んでいる。

 しかし、これは鉄鋼業界における設備更新という特殊要因があり、一過性のものである。鉄鋼分野を除くと前月比はマイナスとなり、受注金額全体ではマイナス8.8%とむしろ大幅減だった。内閣府では、こうした状況から景気判断は据え置いている。

 中国景気の失速に加え、世界景気全般についても後退懸念が高まっている。実際に景気後退に陥る可能性はまだそれほど高くないが、少なくとも日本企業は設備投資に対して積極的にはなれないだろう。

 今のところ、1~3月期の設備投資見込みはプラスが維持されているが、場合によってはマイナスを覚悟した方がよさそうだ。
 10~12月期のGDPは、消費が弱く、設備投資で全体をカバーする構図だった。消費の弱さがそのままで、設備投資が横ばい、あるいはマイナスということになると、連続でGDPがマイナス成長に陥る可能性が出てくる。

 GDPが連続マイナス成長なのかはともかく、景気の先行きについては、相当慎重になる必要がありそうだ。

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