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出版取次の太洋社が自己破産。出版市場の縮小はどこまで続くのか

 

 出版取次の太洋社が2016年3月15日、東京地方裁判所に自己破産を申請した。出版業界は、縮小する市場に再編が追い付かない状況となっている。均衡状態に達するまでには、まだ時間がかかりそうだ。

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 出版業界の流通は、取次と呼ばれる独特の中間事業者が存在しているという点で他の業種とは大きく異なっている。取次は、いわゆる「卸」の業態だが、一般的な卸とは異なり、商品の返品ができるシステムが採用されている。

 書店で売れ残った書籍は取次に返品され、流通在庫も最終的には出版社に返品される。つまり在庫リスクはすべて出版社が負うというのが現在の出版業界の構造である。一部の老舗出版社は返品を受け付けないが、これはあくまで例外である。

 書籍は典型的な多品種少量生産の商品であり、毎年、8万点近くの新刊が販売される。小規模な書店がこの中から売れそうな本を選択し、自らのリスクで仕入れることはほぼ不可能であり、こうした市場環境が取次という独特の流通形態を形作ってきた。
 出版社のリスクが極めて高くなるが、その分、取次や書店のマージンは低く抑えられており、出版社の利益を大きくすることでバランスを取ってきたのである。

 市場が拡大している時は、このシステムもうまく機能したが、縮小市場においては、煩雑な流通システムはむしろ足かせとなってきている。
 出版市場は、ピークだった1996年には雑誌と単行本を合わせて2兆6000億円を超えていたが、その後は毎年市場規模は縮小。現在では約1兆6000億円となっており、約20年で4割も減少した。

 取次各社は、売上高を確保するため販売力の大きい書店を奪い合うようになり、大手2者(日本出版販売とトーハン)による寡占化が進むようになってきた。太洋社は多くの取引書店を失い、業務を継続することが不可能になってしまった。

 書店の統廃合はかなり進んでおり、取次も寡占化することで、どこかの地点で市場はある程度の均衡点に達する可能性が高い。
 書店と流通の統廃合が進めば、在庫や販売動向をシステム的に管理し、もっとも効率のよい流通を実現できる可能性もある。出版社側も、やみくもに新刊書を出すのではなく、合理的な予測を立てながら出版していくこともできるようになるだろう。

 ただ最終的に業界が安定するのかどうかは、書籍の市場がどこまで縮小するのかに大きく依存している。紙の書籍そのものがさらになくなっていくのだとすると、業界の安定化はまだまだ望めないことになる。

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