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土地価格はとうとう上昇に転じたが、二極分化の傾向がより鮮明に

 

 国土交通省は2016年3月22日、2016年の地価公示を発表した。商業地ではとうとう価格が上昇に転じる一方、住宅地は引き続き価格が下落している。今後は一層、土地の二極分化が進む可能性が高い。

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 地価公示は国土交通省が毎年1月1日時点の土地価格を評価したもので、調査地点は約2万5000カ所となっている。
 今年は商業地の価格上昇が顕著だった。商業地の全国平均価格は前年比プラス0.9%と8年ぶりに上昇に転じた。三大都市圏や地方中核都市では2年前から上昇に転じていたが、今回、全国平均でも上昇が確認された。

 ただ今回の上昇は、大都市圏の上昇幅拡大が寄与しており、地方圏の価格は引き続き下落が続いている。土地全体が値上がりしたというよりも、大都市圏の価格だけが上昇していると考えた方がよい。

 同じような傾向は商業地と住宅地の間でも見られる。住宅地の全国平均はマイナス0.2%と引き続きマイナスだった。大都市圏の住宅価格は上昇しているが、商業地に比べると価格上昇ペースは鈍い。地方より大都市に、住宅地より商業地に、より多くの資金が集まっている。

 商業地の価格上昇は、中国人観光客による、いわゆる「爆買い」の影響で、ホテルの稼働率が上昇したことが大きく貢献しているといわれる。収益性の高い土地の価格が上昇する一方で、収益性を見込めない土地の評価は下がる一方だ。今後はこうした傾向がさらに顕著になってくるだろう。

 マイナス金利の影響が今後、じわじわと拡大するとみる関係者もいる。マイナス金利の導入によって、国内には金利を得られる投資対象がほぼ消滅してしまった状況にある。
 外国債など海外への投資を除外した場合、比較的安全性が高く、安定した利回りを得られる商品はREIT(不動産投資信託)くらいしかない。金融機関の中にはREITへの投資を拡大する動きも見られるという。

 REITは基本的に超優良資産ばかり保有しており、REIT価格は全国の土地価格とは乖離が生じる。このようなタイミングでREITへの買いが集中すると、REITの価格が上昇し、これに釣られて大都市圏における商業地の価格がさらに上昇する可能性もある。

 現時点では収益力還元から見て割高ではないが、ここからさらに一段高ということになると、過熱感が出てくる可能性もあるだろう。スウェーデンのようにマイナス金利によって住宅価格が2.5倍に上昇した国もある。マイナス金利の影響はまだ読めないだけに、今後の動向には注意が必要である。

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