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三菱商事と三井物産が共に創立以来初の赤字転落。原油安が業績を直撃

 

 資源安が大手商社の業績を直撃している。三菱商事と三井物産が揃って通期の決算が赤字になる見通しを明らかにした。両者とも赤字に転落するのは、創立以来初めて。

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 三井物産は2016年3月23日、2016年3月期の決算において、当期利益が当初の見込みである1900億円の黒字から700億円の赤字になる見通しを明らかにした。翌24日、今度は三菱商事がやはり通期決算の赤字転落を発表した。当期利益が、当初の見込みである3000億円の黒字から1500億円の赤字となる。両者ともに赤字となるのは創立以来、初めてのことである。

 赤字転落の原因は資源安による減損処理。三井物産はチリにおける銅事業に関して、長期の価格見通しの変更から大幅な減損を余儀なくされた。このほかオーストラリアの石炭事業や海外の発電プロジェクトなどでも減損が発生し、合計で2600億円の損失となった。

 三菱商事もチリの銅事業において2800億円の減損が発生したほか、オーストラリアの鉄鉱石事業や天然ガス事業、アジアにおけるエネルギー関連事業などで減損が発生し、総額は4300億円にも達する。

 もっとも両者の財務体質は盤石となっており、三井物産は約12兆円の総資産に対して4兆円の自己資本がある。三菱商事は総資産16兆円に対して、自己資本は6兆円である。今回の赤字は財務的には何の問題もない。

 ただ両者とも、戦後、現在の組織として業務を開始してから赤字に転落するのは初めてのことであり、このインパクトは小さくない。
 そもそも商社は商品の取引を主業務とする事業であり、本来は大きなリスクを取る必要がない。だがバブル経済以後の商社不要論などを経て、商社はその事業形態を変化させ、現在では投資会社と商事会社を合わせたようなビジネスモデルとなっている。

 とくに最近では、海外の資源ビジネスへの比重を高めており、リスクを取り過ぎているのではないかとの懸念があった。資源ビジネスは市況に左右されるので、今回のような大幅な原油価格の下落が発生すると、損失が急に表面化するリスクがある。

 資源価格が下落してしまうと、基本的には価格が元に戻らない限り、その損失を取り返すことはできず、逆に他の案件で過剰にリスクを取ることは状況をさらに悪化させる可能性がある。
 一方、投資した資源の権益は今後も継続するので、減額になるとはいえキャッシュ・フローは確保できる。各社は、コスト削減を進め、当面の利益を確保するとともに、中長期的には資源以外の投資案件を増やしていくほかないだろう。

 今回の大手2社の赤字転落は、あくまで資源安が原因であり、現在の日本経済の状況と連動するものではない。だが、日本企業の業績が頭打ちになるという懸念が高まる中での赤字転落は、市場へのインパクトが大きい。株式市場にとってはかなりのマイナス・イメージとなるだろう。

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