ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

物言う株主がセブンの世襲人事観測に警鐘。会社側は否定しているが・・・

 

 物言う株主として知られる米ヘッジファンド運営会社サード・ポイントが、セブン&アイ・ホールディングスに対し、トップ人事において世襲をしないよう求める異例の書簡を送った。
 現トップの鈴木敏文会長は同社のオーナーではないにもかかわらず、息子である鈴木康弘氏を後継者に指名しようとしているとの観測がある。大企業のトップで情実人事が行われてしまうと株主の利益が侵害される懸念があるとサード・ポイントは指摘している。

sebunsuzu

 鈴木敏文氏は83歳と高齢で、慢性的な健康問題を抱えており、次期トップを指名しなければならない時期に来ている。サード・ポイント側は、息子である鈴木康弘氏を後継者に指名する可能性があるとして、これに懸念を示した。同社では、セブン-イレブン・ジャパン社長の井阪隆一氏を最有力候補にすべきだと指摘している。

 上場企業であってもオーナー企業の場合には、トップの親族が後継者に指名されることは珍しくない。経営に失敗した場合、自身が保有する巨額の資産を失ってしまうことを考えれば、むしろサラリーマン経営者よりも、規律の高い経営を実施できる可能性がある。このため市場も好意的に評価することがほとんどだ。

 だが鈴木氏は経営者になる過程で株式の一部は所有したものの、基本的にサラリーマン経営者であり、セブンのオーナーではない。
 単なるサラリーマン経営者が自分の子息をトップに据えるのは情実人事とみなされても仕方なく、もしこれが実施されれば、企業のガバナンスを著しく低下させる可能性がある。サード・ポイント側はこの点を懸念したものと考えられる。

 後継が噂されている鈴木康弘氏は、敏文氏の次男で武蔵工業大学を卒業後、富士通に入社。システムエンジニアとして働いたのちソフトバンクに移籍し、電子商取引事業の立ち上げに携わった経験がある。

 康弘氏の処遇はともかくとして、セブンはいろいろな意味で過渡期に差し掛かっている。主力のコンビニ事業は好調だが、祖業であるイトーヨーカ堂は今期赤字決算となる見込み。グループ本社では、2020年までに全店舗の2割にあたる40店舗を閉鎖する計画を打ち出していたが、業績悪化に伴いこれを前倒しで実施することになった。

 だが、ヨーカ堂の立て直しが期待されたエースの戸井和久前社長が今年1月、就任1年半で電撃辞任してしまった。辞任の理由は不明だが、再建方針をめぐって鈴木会長との確執があったというのが定説になっている。
 鈴木氏自身も健康問題があることを認めており、できるだけ早く次の経営体制を構築することが何よりも重要だろう。

 - 経済 , ,

  関連記事

abe001
まるでデジャヴュ。安倍政権は日本にハイパーインフレをもたらすのか?

 量的緩和策の拡大と大規模な財政出動を組み合わせる安倍政権の経済政策「アベノミク …

euhonbu
土壇場でギリシャ支援を決定。期せずして露呈した「欧州」をめぐる独仏の路線対立

 ユーロ圏各国は2015年7月13日、首脳会議においてギリシャ支援の再開について …

soros
ソロス氏がまたまた大儲け。ウォール街の鬼門といわれた円安で大勝利

 米国の著名投資家であるジョージ・ソロス氏が、昨年11月からの円安で巨額の利益を …

girishagikai
ギリシャの国民投票は緊縮策にNo。約束手形の発行となれば、事実上のドラクマ復活?

 IMF(国際通貨基金)など国際機関に対する支払いができない状態にあるギリシャで …

orand78%
大連立構想は国力衰退の象徴?ギリギリで大連立を回避した日本はまだマトモかもしれない

 総選挙における自民党の大勝利で立ち消えになったが、民主党政権末期には大連立構想 …

hitogomi
投資も消費も消極的。日本経済のマインドはかつてのデフレ時代に戻った?

 内閣府は2016年1月14日、11月の機械受注統計を発表した。主要指標である …

robotfunuc
グーグルと鴻海がロボットで提携。困るのはファナックではなく日本の町工場?

 インターネット検索大手のグーグルと台湾の鴻海精密工業がロボット分野で提携を進め …

nitigin
皆さん!中央銀行の独立性について根本的に誤解していませんか?

 2~3%の高いインフレ目標の設定と、日銀による国債引き受けに言及した自民党の安 …

no image
メガバンクとゆうちょ銀行で不正画面誘導が多発。だが本当に危惧されることとは?

 ネット銀行のホームページに不正が画面が表示され、パスワードなどが盗まれて不正送 …

chinaenergy
中国が南シナ海での資源開発をあらためて強調。中国が譲歩できないその背景

 中国政府は、フィリピンなどとの領有権問題が発生している南シナ海領域について、中 …