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中国初の空母「遼寧」が着艦に成功。だが中国の空母運用が前途多難なワケとは?

 

 中国初の空母「遼寧」が艦載機に着艦に成功したと中国メディアが伝えている。着艦に成功したのは艦載機「殲15」。中国海軍は正式に発表していないが、政府系メディアの多くが報じており、ほぼ事実と思われる。

 空母「遼寧」は中国初の空母で、旧ソ連から購入し中国が改修したもの。今年9月に海軍に引き渡され、現在は渤海海域で2回目の航海訓練を実施している。これまで艦載機を空母の甲板に接触させてすぐに飛び立つ「タッチ・アンド・ゴー」の訓練を実施していたが、実際に着艦させたのは初めて。ただし発艦はまだ実施しておらず、本格的な運用までにはまだ時間がかかる見通し。

 遼寧はカタパルト(射出装置)を使用しない、いわゆるスキージャンプ方式を採用している。艦首の飛行甲板が14度ほど傾斜しており、艦載機は自力で滑走して飛び上がる。
 これに対して米国の空母は基本的にカタパルト(射出装置)を使用して艦載機を発艦させる方式を採用している。カタパルトは艦載機を瞬時に加速させることができるため、短時間で大量の艦載機を発艦させることができる。カタパルトがあるのとないのでは、その攻撃能力に圧倒的な差が生まれる。
 だがカタパルトの整備には高い技術が要求されるだけでなく、その稼動には莫大なエネルギーが必要となる。このため原子力空母でなければ実用的な運用は困難といわれる。

 遼寧はあくまでテストのための艦船であり、現実的な戦力としては想定されていない。中国は次に就航させる空母を開発中といわれているが、それはカタパルトを備えた原子力空母であるとの噂がある。だが仮にそうだとしても、中国側が超えなければならないカベは厚い。

 米第七艦隊の主力空母「ジョージワシントン」は横須賀を母港としている。米国が自国領土以外で原子力空母の拠点を置いているのは日本だけだが、その理由は、原子力推進システムとカタパルトのメンテナンスに必要な工業インフラを持つ国がそうそう存在しないからである。
 またカタパルトを保有した原子力空母は1年のうち3分の1程度の時間を機器のメンテナンスに費やさなければならない。実際、横須賀のジョージワシントンが出動するのは毎年5月から12月までの8ヶ月程度。後の期間はずっと整備を行っている。

 つまりカタパルトを持った原子力空母を実用レベルで運用するには、高い工業インフラの整備と自由にローテーションを組めるだけの十分な艦船数が必要となる。中国側がこれらのリソースを獲得できるのはかなり先のことになるだろう。
 安易な楽観は危険だが、当面、遼寧の動きに日本側が神経を尖らせる必要はない。

 - 政治

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