ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

為替市場で円高が進行。投資家の注目が「実質金利」に集中したことが要因?

 

 為替市場で円安が進んでいる。5日には一時、1ドル=109円台を付けるなど、1年5カ月ぶりの安値となった。
 米国の利上げ期待が後退したことが最大の要因だが、実質金利差が縮小していることや、海外から日本の為替政策に対する牽制球が出ていることなど、複数の要因が重なってしまった。短期的には円高の動きが継続する可能性が高い。

kawaseenndaka
 日銀がマイナス金利を導入したことで、日本の名目金利は低下し、日米の金利差は拡大した。しかし、マイナス金利の導入と前後して、日本のインフレ期待も急速に萎んでおり、実質金利はあまり下がっていない。

 一方、米国も利上げ期待が後退しており、名目金利が下がっている。しかし、米国では労働市場の逼迫などからインフレ率は逆に上昇しており、名目金利から期待インフレ率を引いた実質金利が低下している。

 この結果、日銀がマイナス金利を導入しているにもかかわらず、実質ベースでは日米の金利差が縮小してしまった。この部分に市場が着目してしまい、円高が進んだ可能性が高い。

 日本を取り巻く環境も悪化している。今期は企業収益の伸び悩みが予想されることに加え、世界経済の停滞懸念が台頭したことから、通貨安競争への懸念が高まっている。
 とりわけ日本にその矛先が向けられており、安倍首相は米紙のインタビューに対して「通貨安競争は絶対に避けなければならない」と発言。これが円高容認と捉えられたことで、為替の動きに弾みをつけてしまった。

 これらは短期的な動きであり、ポジションの調整が進めば為替の動きも落ち着くと考えるのが普通だが、必ずしもそうとは限らない。
 米国経済が大きく崩れことがない場合、利上げペースが緩やかになる一方で、インフレも継続することになる。そうなってくると中期的にもドル高になりにくく、現在の状況が継続してしまう可能性がある。

 とりあえず市場は日銀の動きに注目している。4月の27日と28日に開催される金融政策決定会合において追加緩和が発表されない場合には、当分の間、円高傾向が続くことになる。
 中期的には、やはり米国の利上げペースとインフレが為替の動きを決めるだろう。米国の経済が堅調で、利上げペースが速まれば、当初のドル高シナリオが戻ることになるが、今のところ状況は不透明なままだ。

 - 経済 , ,

  関連記事

doruen
欧米の国債利回りが急低下。実は日銀による外債購入まで織り込まれている?

 日銀の量的緩和拡大が欧米の債権市場に大きな影響を与えている。政策決定会合が行わ …

kokkaigijido02
基礎的財政収支黒字化はますます困難に。だが、足元ではそれ以上の懸念材料が・・・

 2020年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化するという政府公約 …

mackabu
日本マクドナルドの株式を米本社が今、売却する理由

 日本マクドナルドの株式の約5割を保有する米マクドナルドが株式の売却に向けて動き …

no image
遺伝子組み換え食品に発ガンの可能性と仏が報道。米モンサント社への攻撃か?

 遺伝子組み換え飼料で飼育されたラットは、通常のラットに比べて早く死に、ガンにな …

googleio2015
グーグルがスマホ向けの新OSを公開。人工知能が強化され、利用者の状況把握がさらに進展

 米グーグルは2015年5月28日、スマホ向け基本ソフトの新製品である「アンドロ …

contena
9月の経常収支がとうとう赤字に。日本は輸出はおろか、金貸しをしても儲からなくなった

 製造業の競争力の証であり、日本経済のすべての原動力となってきた経常収支がとうと …

abeusa
日本を米国並みのベンチャー大国にするという首相の驚愕発言がもたらすリスク

 訪米中の安倍首相が米国人を前に大胆な発言を連発している。9月25日、ニューヨー …

Cove Point
シェールガス革命で日本の製造業が次々に米国進出。期待される日本の国際収支への貢献

 米国ではシェールガス革命の進展によって、世界最大のエネルギー輸出国に変貌しよう …

no image
タックスヘイブン(租税回避地)に対する包囲網が狭まる

 ジャージー島やマン島など、英国領の租税回避地(タックスヘイブン)が米国との租税 …

doragi201710
ECBが量的緩和策の大幅縮小で出口戦略へ。日銀も撤退を余儀なくされる?

 ECB(欧州中央銀行)は2017年10月26日に開催された理事会で量的緩和策の …