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セブン&アイ鈴木会長が退任。自らが主導した人事案は取締役会で否決

 

 セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長兼最高経営責任者は2016年4月8日、グループの経営から退く意向を表明した。自身が主導した人事案が取締役会で否決された責任を取る。
 同社に対しては、オーナー経営者ではない鈴木氏が自分の子息を後継者に据えようとしているとの観測があり、投資ファンドが懸念を示す文書を送っていた。

sebunsuzu

 鈴木氏は83歳と高齢で、慢性的な健康問題を抱えており、後継者問題が切実となっている。また業績が低迷しているイトーヨーカ堂の立て直しを任されていた戸井和久前社長が、今年1月に突然辞任するなど、グループ内での不協和音が目立っていた。

 このため、物言う株主として知られる米国の投資会社サード・ポイントは、後継者としてセブン-イレブン・ジャパン社長の井阪隆一氏を最有力候補にすべきとする書簡を送っていた。また同ファンドは、鈴木氏に自身の子息を後継者に据えようとする動きがあるとして、これについても警鐘を鳴らしていた。

 鈴木氏は、サラリーマン経営者であり、同社の創業者ではない。単なるサラリーマン経営者が自分の子息をトップに据えるのは情実人事とみなされる可能性が高く、これが実施されれば、同社のガバナンスを著しく低下させる可能性がある。

 これに対して鈴木氏は7日の取締役会で、井坂氏の退任を提案するという強硬策に出た。井坂氏の後任に井坂氏より8歳年長の古屋一樹副社長を据えるという新しい人事案には、15名いる取締会のうち8名が反対。結局、鈴木氏が強行した人事提案は否決された。

 取締役会が鈴木氏の提案を否決したのは、同社の創業家出身である伊藤雅俊氏が反対したことの影響が大きかったと考えられる。大株主である創業家と同じく大株主である投資ファンドの意向が取締役会に反映された形であり、同社はギリギリのところでガバナンスを維持することになった。

 鈴木氏は1963年にイトーヨーカ堂に入社。コンビニエンス・ストアという新しいビジネスモデルをゼロからつくり上げ、セブン&アイグループを国内有数の流通企業に育てた実績がある。
 同氏はグループのすべての役職を辞任する意向を示しており、今後の人事案については白紙の状態だという。取締役会を中心に協議していくことになる。

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