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韓国大統領選挙。無所属の安候補が突然辞退。不透明さが漂う韓国社会

 

 韓国大統領選挙の野党候補一本化交渉の当事者であった安哲秀ソウル大学教授が23日、記者会見を開き、立候補そのものを断念することを発表した。

 12月19日に投票が行われる韓国の大統領選挙は、与党セヌリ党の朴槿恵候補(朴正煕元大統領の長女)、民主統合党の文在寅候補(元大統領秘書室長)、無所属の安哲秀候補の3人が立候補を表明していた。このままの状態では野党の票が割れる恐れがあることから、野党候補の一本化交渉が行われいた。交渉は難航が伝えられていたが、突如、安候補の辞退宣言で文在寅候補に一本化されることとなった。

 安氏は会見で「対立がこれ以上長引くけば国民に申し訳が立たない」として、時折声を詰まらせながら断念の理由を説明した。安氏の選対本部では涙を流す支持者も多く見られた。
 だが韓国メディアは、安氏が辞退に追い込まる事態となった背景について、ほとんど報道していない。安候補が涙ながらに辞退を訴えた、あるいは無党派層の希望が打ち破られたといった情緒的なものばかりで、どのような交渉、判断があったのかと言う点はまったく不透明だ。

 一説では、候補一本化の方式として浮上していた世論調査の質問内容で双方が妥協できなかったことが辞退の理由とされている。組織力を持たない安候補にとって、質問内容は致命的な影響を及ぼすことから妥協ができなかったというものだ。
 だが現実の政治はきれいごとだけでは済まない。この背後には、利権が絡み合った複雑な事情があると考えるのが自然であり、そのあたりを探り出すのがマスメディアの仕事である。

 この点において、今回の大統領選挙は野党候補の一本化交渉の状況や、安候補辞退の理由に至るまですべてが不透明であり、韓国社会がまだまだオープンでないことを示す結果となった。だが日本のマスコミにも同様の傾向があり、時として情緒的な報道に終始する現象が見られる。日本はこれを他山の石としなければならないだろう。

 安候補が辞退したことで、韓国大統領選は、与党セヌリ党の朴槿恵候補、民主統合党の文在寅候補の一騎打ちとなる。

 - 政治

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