ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

IMFが最新の世界経済見通しを発表。新興国経済の低迷が先進国にも波及

 

 IMF(国際通貨基金)は2016年4月12日、最新の世界経済見通しを発表した。2016年の世界経済の成長率見通しは、物価変動の影響を除いた実質でプラス3.2%となり、1月時点の見通しから0.2ポイント引き下げられた。
 世界経済の頼みの綱である米国は0.2ポイント下方修正され2.4%となったが、先進国全体では2%を切っている。長期的な停滞論が再び活発になってくるかもしれない。

imf201604
 IMFでは毎年4月と10月に世界経済の見通しを発表している。さらに7月と1月には、各見通しの修正を行っている。
 前回1月の見通しでは、中国やロシアなど新興国の景気失速が原因で世界成長率の見通しが下方修正された。今回は前回に引き続き見通しが下方修正された形だが、今回の主な要因は先進国の低迷である。新興国経済の失速が先進国にも及んでおり、各国の成長率予想は軒並み下方修正となった。

 米国は0.2ポイント下がってプラス2.4%、ドイツも0.2ポイント低下でプラス1.5%、フランスは1.1%、英国は1.9%だった。先進国でもっとも状況が悪いのは言うまでもなく日本で2016年はプラス0.5%、2017年に至ってはマイナス成長が予想されている。消費増税の影響が大きいとの判断だ。

 一方、中国やロシアは最悪期を脱した可能性がある。中国は0.2ポイント上方修正されて6.5%、ロシアは0.8%の下方修正でマイナス1.8%にとどまった。まだ余談は許さないが、両国経済の崩壊で、世界経済が大きな影響を受けるというシナリオは後退しつつある。

 新興国経済の低迷が先進国にも波及してきたことから、長期停滞論が再び活発になってくる可能性がある。一部の識者は、長期停滞が発生している場合には、各国が協調して財政出動を行う必要があると主張している。

 5月に開催予定のサミット(主要国首脳会議)では、財政出動が議題に上る予定となっているが、財政再建に成功しているドイツや米国はこれに消極的とも言われ、どこまで踏み込んだ合意が得られるのかは不透明だ。

 財政出動が合意されれば、とりあえず世界経済は一服ということになるが、合意に至らなかった場合には、しばらくの間、不透明感が続くことになる。
 2016年1~3月期における米国の企業決算は冴えない結果となる可能性が高い。市場では、4~6月期以降には回復に向かうとの見方と、しばらく踊り場が続くとの見方に分かれている。今のところ世界経済は米国の消費に頼らざるを得ず、とりあえずは米国市場の動向を注視するよりほかない。

 - 経済 ,

  関連記事

runo
ルノーが往年の名車の復刻版を投入。これは自動車コモディティ化の予兆か?

 仏自動車大手のルノーが、往年の名車と呼ばれた「アルピーヌ」の復刻モデルを発売す …

nichigin04
日銀が緩和の枠組みを金利目標にシフト。量的緩和策は事実上の長期撤退戦へ

 日銀は、2016年6月20日と21日に開催された金融政策決定会合において、従来 …

no image
震災復興費は大手メーカーが流用していた。日本の製造業はもはや「保護産業」

 復興予算の流用や付け替えが問題となっているが、その流用先に大手メーカーが多数含 …

reit201405
インフレ期待からREITの値動きが好調。一部からはプチ・バブル化懸念の声も

 REIT(不動産投資信託)の値動きが堅調だ。このところ日経平均は低迷が続いてい …

gajoen
都心部で大型不動産をめぐるマネーの動きが活発化。ようやくバブルの闇が消える?

 東京の不動産取引が活発になってきている。量的緩和策によるインフレ期待を背景に、 …

matsuura
エイベックス松浦氏の富裕層イジメ発言を評価する際に注意すべき点とは?

 エイベックス・グループ・ホールディングス社長の松浦勝人氏による、日本は富裕層に …

nihonen
円高が止まらない。政策の手詰まり状態を市場は見透かしている?

 為替市場で急速な円高が進んでいる。欧州で英国のEU(欧州連合)離脱への警戒感が …

tokkyoshou
特許黒字は1兆円だがその内実は・・・・。特許収支からも分かる日本の空洞化

 国際競争力の低下や円高などによって、日本企業の海外移転が急ピッチで進んでいるが …

businessman02
2016年1~3月期GDPはプラス転換だが、うるう年効果が大きく実質ゼロ成長

 内閣府は2016年4月18日、2016年1~3月期のGDP(国内総生産)速報値 …

factory07
米国がモノを買わなくなっている。日本人は米国の過剰消費を批判している場合ではない

 米国が世界の買い手としての立場を降りようとしている。新興国経済の鈍化が目立つ中 …