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舛添知事の豪華旅行に批判殺到。だが公務員の厚遇は国民が求めてきた結果ともいえる

 

 舛添要一東京都知事の高すぎる海外出張経費が問題視されている。ファーストクラス利用、スイートルーム宿泊など、一般的な感覚からはかなりかけ離れたものとなっている。
 日本は民主国家としての成熟度が低く、公務員に対する厚遇はむしろ国民が求めてきたという側面もある。欧米各国のように、公務員は国民に奉仕する名誉な仕事という感覚になる可能性は限りなく低いだろう。

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 舛添氏は2014年に知事に就任して以降、9回ほど海外出張を行っている。過去8回分の経費は平均2600万円を超えており、都議会からは高すぎると批判が出ている。

 都議会議員である音喜多駿氏の調査によると、舛添氏のパリ・ロンドン出張では、飛行機代が約266万円(往復)、スイートルームの宿泊代金が1泊19万8000円だったという。
 音喜多氏は、昨年来日したロンドン市長の経費についても調査したが、航空運賃は約66万円、宿泊費は1泊3万5000円だった。ちなみに航空券は片道で、帰りはポイントを利用している。

 英国や米国では、公務に関わることは名誉なこととされ、報酬や厚遇を期待するものではないという感覚が強い。一方、アジアの途上国などでは、公務員はお金を稼ぐ手段という位置付けとなっており、公務員になることで財産を形成する。
 日本は残念ながら、中国やシンガポールなど後者に近い存在であり、公務員になることは資産形成のひとつの手段となっている。

 国内では公務員の厚遇を批判する意見に対して「高い報酬を用意しないとよい人材が集まらない」という見解がよく出てくるが、これも基本的に報酬がインセンティブになっていることの裏返しである。
 また、産業の活性化についても「官民挙げて取り組むべき」といった意見がごく普通に見られるように、官が経済を主導するという感覚は日本では広く共有されている。

 官が経済を主導するのであれば、その職員を高い報酬で処遇するのは当然ということになるだろう。
 公務員に対する批判も、民主国家としての公務員のあり方という視点ではなく、単なる「嫉み」の感情から発生していることも多く、これが問題の解決をやっかいにしている。

 日本はこのところ急速に貧しくなっており、給与所得者の平均年収は一貫して下がり続けている。一方で、公務員の待遇は悪くなるどころかむしろ上昇している。
 日本は経済規模の絶対値こそ何とか世界3位を維持しているが、国民の豊かさという点では、むしろアジアの途上国に近づきつつある。公務員にならないと、まともな暮らしができないという貧しい社会が到来するのも、時間の問題かもしれない。

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