ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

マイナス金利の影響がじわじわと消費者に波及。投信手数料引き上げや年金減額も

 

 マイナス金利の消費者への転嫁がじわじわと進んでいる。普通預金の口座にマイナス金利が適用されるわけではないが、周辺部分での転嫁が進むことで、消費者の可処分所得は減ってくることになる。

nichigin04
 投資信託を運用する資産運用各社は、投資信託の手数料を引き上げる方針を固めた。現金の預け先である信託銀行が、マイナス金利の導入を受けて、運用会社に対して手数料の徴収を開始したことが原因。

 投資信託の運用会社は、投資家から預かった資金全額を常に運用しているわけではない。必要な時に追加投資を行ったり、解約に応じられるよう、資産の一定割合は現金で保有しており、これらの現金は主に信託銀行に預金されている。
 信託銀行はマイナス金利によって収益が減少しているが、これを補うため、運用各社から手数料を徴収することを決定した。この措置を受けて運用各社は投信の保有者から徴収する手数料を値上げし、個人投資家にその負担を転嫁する。

 投資信託はもともと手数料が高く、個人投資家にとってはかなりの負担となっていた。ここにきて手数料がさらに上昇するということになると、投信の残高にも影響してくる可能性がある。少なくとも、投資家が手にする利益は手数料の増額分だけ減少する。

 また信託銀行は、企業の年金基金に対しても同様に手数料の徴収を通知している。このまま年金基金への負担転嫁が進めば、年金の減額という事態もあり得ることになる。

 投資信託の手数料や、年金基金からの受給額は、1人あたりでは小さな数字だが、経済全体では無視できないレベルとなる。大手生保もマイナス金利による運用難から予定利率の引き下げを発表している。こうした動きは、可処分所得の減少をもたらし、最終的には消費低迷につながってしまうかもしれない。

 マイナス金利は、本来、銀行を追い込むことによって融資拡大を狙うという政策である。だが銀行が融資を拡大せず、収益の減少を消費者に転嫁した場合には、全く逆の効果となってしまう。

 マイナス金利の効果が市場で効果を発揮するまでには時間がかかるとされているが、消費者への負担転嫁という話ばかりが出てくると、政策に対する信認が低下してしまう。マイナス金利政策はスタートから3カ月で、早くも正念場を迎えようとしている。

 - 政治, 経済 , , , ,

  関連記事

no image
タックスヘイブン(租税回避地)に対する包囲網が狭まる

 ジャージー島やマン島など、英国領の租税回避地(タックスヘイブン)が米国との租税 …

doller
生保が外債投資に一斉シフトという報道は本当か?実際のペースはかなり現実的

 日本生命保険は4月22日、2113年度の資産運用計画を発表した。日銀による異次 …

abe
安倍総裁が2%の物価目標を日銀に要請。その結果、経済はどうなる?

 自民党の安倍総裁は18日午後、党本部で日銀の白川総裁と会談し、物価目標を2%と …

bouekitoukei 201302
2月の貿易統計。赤字は8か月連続。米国向けの輸出だけが絶好調

 財務省は3月21日、2月の貿易統計(速報、通関ベース)を発表した。貿易赤字は8 …

nougyouyushutu
日本の農作物輸出が過去最大。だが全体から見れば輸出はごくわずかという現実

 日本の農作物の輸出が徐々に増加している。農林水産省の調査によると、2013年に …

hakenhoukaisei
同一労働・同一賃金法案が衆院で可決。内容は骨抜きで格差は継続したまま

 正社員と派遣社員の格差を是正する「同一労働同一賃金推進法案」が2015年6月1 …

hatoyama
鳩山元首相が訪中。中国による分断作戦か日本政府への隠れたラブコールか?

 今回の衆院選をきっかけに政界を引退した鳩山元首相が中国の招きで訪中することが明 …

abeyosaniinkai201402
安倍政権が集団的自衛権行使の議論を再開。一部からは遅きに失したとの声も

 安倍政権が集団的自衛権の行使容認に向けて再び動き始めた。2014年2月5日、参 …

asakusa
日本に来る外国人観光客の数が諸外国と比べて異常に少ないのはなぜ?

 世界経済フォーラムは3月7日、2013年の旅行・観光競争力ランキングを発表した …

jimintohonbu
自民・公明が消費税率軽減策で合意。結局8%段階で軽減策は導入されず

 自民、公明両党は23日、与党税制協議会を開催し、焦点となっていた消費増税に対す …