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マイナス金利の影響がじわじわと消費者に波及。投信手数料引き上げや年金減額も

 

 マイナス金利の消費者への転嫁がじわじわと進んでいる。普通預金の口座にマイナス金利が適用されるわけではないが、周辺部分での転嫁が進むことで、消費者の可処分所得は減ってくることになる。

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 投資信託を運用する資産運用各社は、投資信託の手数料を引き上げる方針を固めた。現金の預け先である信託銀行が、マイナス金利の導入を受けて、運用会社に対して手数料の徴収を開始したことが原因。

 投資信託の運用会社は、投資家から預かった資金全額を常に運用しているわけではない。必要な時に追加投資を行ったり、解約に応じられるよう、資産の一定割合は現金で保有しており、これらの現金は主に信託銀行に預金されている。
 信託銀行はマイナス金利によって収益が減少しているが、これを補うため、運用各社から手数料を徴収することを決定した。この措置を受けて運用各社は投信の保有者から徴収する手数料を値上げし、個人投資家にその負担を転嫁する。

 投資信託はもともと手数料が高く、個人投資家にとってはかなりの負担となっていた。ここにきて手数料がさらに上昇するということになると、投信の残高にも影響してくる可能性がある。少なくとも、投資家が手にする利益は手数料の増額分だけ減少する。

 また信託銀行は、企業の年金基金に対しても同様に手数料の徴収を通知している。このまま年金基金への負担転嫁が進めば、年金の減額という事態もあり得ることになる。

 投資信託の手数料や、年金基金からの受給額は、1人あたりでは小さな数字だが、経済全体では無視できないレベルとなる。大手生保もマイナス金利による運用難から予定利率の引き下げを発表している。こうした動きは、可処分所得の減少をもたらし、最終的には消費低迷につながってしまうかもしれない。

 マイナス金利は、本来、銀行を追い込むことによって融資拡大を狙うという政策である。だが銀行が融資を拡大せず、収益の減少を消費者に転嫁した場合には、全く逆の効果となってしまう。

 マイナス金利の効果が市場で効果を発揮するまでには時間がかかるとされているが、消費者への負担転嫁という話ばかりが出てくると、政策に対する信認が低下してしまう。マイナス金利政策はスタートから3カ月で、早くも正念場を迎えようとしている。

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