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三菱グループは大丈夫?自動車は3度目の不正隠し、重工では納入延期と連続火災

 

 三菱自動車は2016年4月20日、同社の軽自動車において燃費データを改ざんしていたと発表した。同社は2000年と2004年にもリコール隠しを行っており、同社の隠蔽体質がまったく変わっていないことが明らかとなった。
 同じ三菱グループの三菱重工では、客船事業で納期遅れを繰り返し2000億円近い特別損失を計上したほか、建造中の火災というトラブルも発生している。明治以来、日本の物作りを支えてきた三菱グループのブランドが揺らいでいる。

mitsubishi20160421

 データ改ざんに該当する車種は「eKワゴン」など2車種と、同社が受託生産し日産自動車が販売する「デイズ」など2車種の計4車種で、販売台数は62万5000台にのぼる。データ改ざんは組織的とみられ、事態が発覚したきっかけも、日産自動車からの指摘によるものだった。

 三菱自動車は、2000年と2004年にリコール隠しが発覚し、社会的に大問題となった。不具合の情報を20年以上も隠し続け、その間には死亡事故も発生するなど、かなり悪質なものだった。
 同社は、企業体質を根本的に変えることを宣言し、品質担当部署の設置や内部通報制度の整備などを行ってきたが、結局、同社の体質を変えることはできなかったようだ。

 同じ三菱グループである三菱重工では、客船事業で納期遅れを繰り返し、1872億円の特別損失を計上している。納期の遅れを挽回するために、5000人の作業員を投入したものの現場は混乱し、3回も火災を発生させるという信じられないトラブルも起こしている。
 同社が客船の建造中に火災を起こすのは、実は今回が初めてではない。2002年にも建造中の客船から出火するというトラブルがあり納期を延長している。今回の件と直接関係はないが、メーカーとしての管理能力低下が懸念される事態だ。

 三菱グループは現在、社運をかけて国産ジェット旅客機MRJの開発を進めている。MRJは初飛行に成功したものの、主翼の強度が足りないことが発覚し、納入延期を発表している。
 こうした開発にスケジュールの遅れはつきものであり、納入延期自体は特に大きな問題ではない。だが三菱自動車がデータの改ざんを行ったのは、目標達成に対するプレッシャーが大きかったことが原因といわれている。

 MRJは納期が遅れるほど、競合メーカーが開発する新型機との競争が激しくなり、同社に不利な展開となる。ここで納期が優先されるような事態となれば、取り返しのつかない結果ともなりかねない。

 三菱グループは、明治以来、日本の物作りを支えてきた企業の一つである。同社のブランドを維持していくためには、三菱自動車が自力で原因究明と責任者の処分を実施できるのか、また、MRJが何の問題もなく量産体制に入れるのかにかかっている。同グループにとっては、最大の正念場ということになるだろう。

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