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iPhone初の販売台数減少でアップルは減収減益。だが市場の注目はすでに次のフェーズに

 

 これまで快進撃を続けてきたアップルがとうとう減収減益の決算を発表した。ただ、中国におけるiPhone販売の不振や世界経済の停滞などから、1~3月期の業績が低迷することはある程度予想されており、市場関係者の反応は意外と冷静だ。時間外で同社株は8%下落したが、これも想定の範囲内といってよいだろう。

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 同社は2016年4月20日、2016年1~3月期の決算を発表した。売上高は前年同期比12.8%減の505億5700万ドル(約5兆6300億円)、純利益は22.5%減の105億1600万ドル(約1兆1700億円)と減収減益となった。

 主力のiPhoneが発売開始以来初めてとなる販売台数の減少という事態に直面しており、これがそのまま業績に反映された。低迷は全世界的であり、米国の売上高は10%減、欧州は5%減、中国は26%減、アジアは25%減、日本だけが唯一の例外で何と26%の増収となっている。

 今期の業績が悪化することはすでに予想されていた。2015年10~12月期の決算では、売上高の増加ペースが急減しており、営業利益はすでに前年同期比でマイナスとなっていた。
 また同社は、主力モデルであるiPhone6sの販売が低調であることから、各国の部品メーカーに減産の意向を伝えており、減産は今も継続中である。全世界的に景気の停滞感が高まっていることなども考え合わせると、今期決算が減収減益になるのはある意味で当然の結果といってよいだろう。

 アップルの場合、グローバルな景気動向に加え、iPhoneのみに依存するビジネスモデルはそろそろ限界ではないかという警戒感が強かっただけに、今後の影響は軽視できない。ただ、同社の株価はピーク時と比較するとすでに3割も下落している。今後の焦点はどのあたりで株価が下げ止まるかである。

 よく知られているように同社は25兆円近くのキャッシュ(あるいはキャッシュに相当する資産)を持っており、使い道に苦慮している状況であった。
 業績の低迷が長引くようであれば、保有する資産の有効活用が、市場で意識されるようになってくるだろう。同社は、クックCEOの本当の手腕が問われるフェーズに入ったのかもしれない。

 - 経済, IT・科学 ,

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