ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

パナマ文書が公開。三木谷氏の名前もあるが、大した話ではない可能性が高い

 

 ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)は2016年5月16日、タックスヘイブン(租税回避地)の流出情報である「パナマ文書」に関し、約21万社の会社名を公開した。
 パナマ文書をめぐっては、ロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席などの名前が取り沙汰されており、世界的には大きなインパクトを持っている。同サイトには日本人や日本企業の名前も載っているが、多くは会社の登記手続き上の話である可能性が高く、大規模な脱税案件が出てくる可能性は低い。

icijpanama

 残念ながら、日本人や日本企業の中でグローバルに活動し、納税の対象となる所得がグローバルに広がっているケースはほとんどない。これは日本人や日本企業がグローバルに活躍できていないことの裏返しともいえる。

 もし所得の源泉が海外にあり、これらをタックスヘイブンの法人に集めれば、大規模な脱税を行うことが可能となる。だが、そもそもの所得がなければ脱税のしようがない。このような状況において、日本人や日本企業がタックスヘイブンを使うケースは、国際取引の中継地点として利用するか、子息を海外に移住させ、相続税を回避するのかの二つということになる。

 子息を海外に移住させ、相続税を回避することに対しては、心情的にはいろいろな意見があるだろうが、本人が日本に住んでおらず、正式な手続きを経ているならば、法律的にはまったく問題ない。子供に相続する資産はすでに税金を支払った後のお金なので、どう扱うのかは本人の自由にするしかないだろう。

 ちなみに今回の文書の中には楽天の三木谷会長の名前も掲載されている。この文書だけでは詳しくは分からないが、三木谷氏が個人的に出資し、最終的には楽天グループに加わった企業に関連したものである可能性が高く、大きな問題に発展する可能性は低い。

 この企業は、レストランのキャッシュバックサービスなどを手がる目的で設立され、その株主となっているペーパーカンパニーに三木谷氏が出資していた。同社には、当該企業の経営者も出資しており、おそらく共同出資のためのファンド代わりに設立したものと考えられる。この企業は、すでに楽天グループに吸収されており、サービスも休止した状態にある。

 外国人を含む、当該ペーパーカンパニーの各出資者が正式な税務の手続きを行っていたのかは不明だが、三木谷氏による巨額の脱税といった類いの話にはならないだろう。
 このほか商社などいくつかの名前が確認されているようだが、今のところ大規模な脱税につながるような話は出てきていない。

 日本人による脱税が少ないことは喜ばしいことだが、逆に考えれば、日本人には、大規模に脱税するような資産を海外で作る能力がないということでもある。これも一種のガラパゴスということになるだろう。

 - マスコミ, 経済 , ,

  関連記事

it02
ITが仕事を奪うとの書籍が話題に。だが現実のIT化はもっとイヤラシイかもしれない

 コンピュータによって人々の仕事が奪われ、最終的にはごく一部の知的エリートと、肉 …

bukkajoushou
デフレ脱却が鮮明になってきた7月の消費者物価指数。だが内実は輸入インフレ?

 総務省は8月30日、7月の全国の消費者物価指数を発表した。代表的な指標である「 …

sumaho201404
総務省のメディア利用調査。現在のネット・ニュース媒体は将来も安泰か?

 総務省情報通信政策研究所は2014年4月15日、メディア利用などに関する調査結 …

home03
米国で住宅価格が大幅上昇。実はアベノミクスの強力な助っ人に?

 米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は4月30日、2月のケース・ …

goa
アルジャジーラが米国のTV局を買収。創設者はゴア元副大統領で政治的匂いがプンプン

 カタールに拠点を置くテレビ局アルジャジーラは2日、米国のテレビ局であるカレント …

soros
ソロス氏がまたまた大儲け。ウォール街の鬼門といわれた円安で大勝利

 米国の著名投資家であるジョージ・ソロス氏が、昨年11月からの円安で巨額の利益を …

kuroda
株価9連騰の背景には日銀による強力な買い支え効果が。その意図は?

 日経平均は8月8日の急落以後、一転して9連騰となり、1万5500円を突破した。 …

businessphone01
職場で電話を取りたがらない若者急増中。だが世代間ギャップの話にするのは危険

 最近、会社内において電話を取れない(取らない)若手社員が増えているという。デジ …

sakamotoyruichi
坂本龍一氏がとうとう終末論を披露。リベラル誌の若者読者に彼はどう映るのか?

 今や反原発アーティストになってしまった感のある坂本龍一氏だが、ある雑誌のインタ …

nomikai
「飲みニケーション」に関する単純な是非論は、問題の本質を見誤らせる

 一時は姿を消していたと思われていた飲みニケーションという言葉が再び注目を集めて …