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トヨタが営業利益40%減の業績見通し。実は販売台数が年々減少しているという事実

 

 トヨタ自動車は2016年5月11日、2016年3月期の決算を発表した。予想通り、増収増益の決算となったが、来期については減収減益の見通しを示している。経営状況に大きな変化はなく、あたらためて為替の影響が大きいことを印象付ける結果となった。

toyota201603

 2016年3月期の売上高は前期比4.3%増の28兆4031億円、本業の儲けを示す営業利益は前期比3.8%増の2兆8539億円だった。昨年の決算(2015年3月期)は売上高は6%増で営業利益は20%増だったことを考えると成長が鈍化している。円安効果が薄れ、何とか増収増益を維持した格好だ。

 来期については、円高でさらに業績が伸び悩むと予想している。売上高は6.7%減の26兆5000億円、営業利益は40%減の1兆7000億円を見込んでおり、2兆円を大きく下回る。

 メディアには「トヨタ大幅減益」といった見出しが並んでいるが、市場はあまり動揺した様子はない。為替効果の剥落は想定内であることに加え、同社の販売台数が減少傾向であることは、かなり前からはっきりしていたからである。

 同社の販売台数は、2014年3月期が912万台、2015年3月期が897万台、2016年3月期が868万台となっており、減少傾向が続いている。海外の販売台数は伸びているが、国内の落ち込みが激しく、全体をカバーできない状況が続いている。2016年3月期については世界経済の低迷から海外での販売も減少した。

 製品の販売台数が伸び悩んでいる以上、決算の数字がよくならないのは当たり前であり、円安の効果があったとはいえ、この販売台数で増収増益を維持してきたのは、むしろ評価すべきことかもしれない。

 今期の販売台数については、890万台と増加を見込んでいる。しかしその内訳は少々、心許ない。海外の販売台数は横ばいで、国内の販売台数を20万台増としている。つまり海外の伸び悩みを国内販売でカバーするという図式になっているのだ。
 世界経済の停滞で海外の販売台数を横ばいとしたのは適切な判断かもしれないが、景気の悪さでいえば先進国において日本は突出している。本当に日本で20万台の販売増を実現できるのかは何ともいえない。

 トヨタは日本経済の最後の砦であり、一般社会も含めて過剰な期待が寄せられる。だが、経営の根幹である販売台数が落ち込んでいることは事実であり、特に国内の販売台数の低下は著しい。しかもこうした状況はマクロ的環境によるものであり、一社だけでは対処が難しい問題である。
 トヨタに対する過剰な期待は、株式市場全体にとってもよい結果をもたらさない可能性が高い。等身大の評価が必要だろう。

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