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アップルが中国配車アプリ大手に出資。今後の成長のカギは結局、自動運転?

 

 米アップルが中国の配車アプリ最大手「滴滴」(ディディ)に10億ドル(約1100億円)出資することが明らかとなった。アップルは、2016年1~3月期の決算において、iPhoneの発売開始以来、初の販売台数減少となった。配車アプリへの出資が次の成長の起爆剤となるのか市場は注目している。

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 滴滴は、スマホからタクシーを呼び出すサービスを展開しており、この分野の先行者であるUBER(ウーバー)の競合といわれる。滴滴の利用者は、出発地と目的地をスマホに入力すると最寄りのタクシーを自動的に呼び出すことができ、中国では3億人が登録するなど、圧倒的なシェアを持つ。

 アップルは、地図サービスや人工知能の技術を活用し、自動運転の分野に進出する意向を持っているといわれる。また、中国はアップルにとって米国に匹敵する市場となっており、同社の成長のカギを握っている。
 中国でナンバーワンの配車サービスと提携することで、中国全土で自動運転車を普及させる足がかりを得たことになる。

 アップルは、2016年1~3月期の決算において、とうとう減収減益となった。iPhoneの競争力が高いといっても、たった1種類のハードウェアに依存した成長には限界がある。一方で同社は25兆円という途方もない金額のキャッシュを保有しており、この資金をどこにつぎ込むのかが市場における最大の注目点となっていた。

 自動運転車の開発を行いつつ、中国の配車アプリに出資したということは、同社は中国市場において、自動運転関連のサービスを展開する方向性をより明確にしたということになる。
 自動運転車は、スマホやネットサービスとの親和性が極めて高く、すでにグーグルがかなりのレベルまで開発を進めており、サービス開始は時間の問題といわれている。グーグルは米国で新しいサービスを開始することになると考えられるため、仮にアップルが同じサービスを展開しても、後発になってしまう可能性が高かった。

 アップルが中国シフトを鮮明にしたことで、結果的に同じ自動運転関連サービスを、グーグルは米国で、アップルは中国で行うという図式となりつつある。

 市場では、世界最大の市場である中国を獲得することは、正しい判断としてプラスに評価する声がある一方、グーグルを追いかける立場が鮮明になってしまうとして、ネガティブに捉える見解もある。最終的には市場シェアがその答となるだろう。

 もっとも中国市場にはこれとは別のリスクもある。中国のIT市場は政府の意向次第であっという間に状況が変化する。滴滴が中国の当局から確実に認められる保障はまだなく、同社の展開には政治的リスクがつきまとう。

 少なくとも、アップルが「次」に向けて動き出したことは確かである。同社の株価が今後、どうなるにせよ、今年が大きな転換点となることは間違いないだろう。

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