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G7を前に日本は八方塞がりの状況。日銀は追加緩和すらままならない?

 

 G7(主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議)開催を前に、日本が八方塞がりの状況に追い込まれている。財政出動が否定されることまでにはならない可能性が高いが、日本が主導する形で政策協調の流れを作るという目論見は外れてしまったようだ。

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 G7は2016年5月20日と21日に仙台で開催される。当初、米国は財政出動に積極的とされ、財政出動に極めて慎重なドイツとの調整が難航するかと思われた。安倍首相は、G7の議長国としてリーダーシップを発揮したいという思いを強く持っており、日本主導で政策協調をまとめあげる腹づもりだった。

 だがこうした日本の「思い」は、双方向ではなかったようだ。メルケル首相を説得すると意気込んでドイツを訪問したが、メルケル首相は財政出動に対してほぼゼロ回答に終始。その後、ショイブレ財務相は「日本から財政に関して要請はなかった」と言い切り、安易な財政出動には賛同しないというスタンスを明確にした。

 安倍首相はメルケル首相との会談後、ロンドンに飛び、キャメロン首相とも会談を行ったが、ここでもキャメロン氏から「各国の事情がある」とクギを刺される結果となった。

 首相が帰国すると状況はさらに悪化していた。当初、財政出動を主張すると思われた米国が慎重姿勢に転じ、結局、財政出動を強く望むのは、日本だけという状況になりつつある。
 米国のルー財務長官は、日本が為替政策によって景気刺激を行わないよう、クギを刺す発言を何度も行っており、為替介入も封じ込められた状況にある。日本は財政でも為替でも動きにくいという状況に追い込まれたしまった。

 ドイツが財政拡大に慎重なのは、過大な政府債務の積み上げは、最終的に経済成長の足かせになるとの見解を強く持っているからだ。
 ドイツと並んで健全な財政運営を行っている米国が財政出動に積極的であれば、こうした懸念も薄れるが、先進国で突出した財政赤字を抱える日本だけが財政出動を主張するという状況では、各国の理解を得られるはずもない。

 もっとも日本はG7の議長国なので、日本の提案を全否定してしまうと、日本側のメンツを潰す形になる。おそらくG7では、玉虫色の解決策が模索されるだろう。政治的にはメンツを保てるかもしれないが、経済的にはほぼゼロの成果となる可能性が高い。

 為替についてこれほど米国からクギを刺された状態では、日銀は追加緩和についても慎重にならざるを得ないだろう。各国の政策協調が得られない状況では、財政出動の規模も限定的となる。
 日本にとっては、小規模な補正予算でお茶を濁し、消費税を先送りすることくらいしか手立てがない。だがこれらは景気に対して目立った効果はなく、財政状況を悪化させるだけとなる可能性が高い。

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