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2016年1~3月期GDPはプラス転換だが、うるう年効果が大きく実質ゼロ成長

 

 内閣府は2016年4月18日、2016年1~3月期のGDP(国内総生産)速報値を発表した。物価の影響を除いた実質でプラス0.4%、年率換算ではプラス1.7%となった。
 各種指標の低迷が続いており、市場ではマイナス成長との予想も多かったが、うるう年の影響もあってプラス転換した。しかし内実はあまりよい数字ではなく、実質的にゼロ成長と考えた方がよい。

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 注目されていた個人消費はプラス0.5%となった。前期がマイナス0.8%という大幅な落ち込みだったことを考えると、プラスとはいえ状況が大きく改善したわけではない。
 ビジネスの現場では、消費の低迷に苦しんでおり、すぐに消費が回復する兆しは見えない。住宅投資はマイナス0.8%と前期に引き続いてマイナスとなった。

 今回のGDPで全体の足を引っ張ったのが企業の設備投資である。前期のプラス1.2%から一転してマイナス1.4%と落ち込んだ。円高によって業績の下振れ懸念が増しており、企業の設備投資意欲は低い。

 19日には設備投資の先行指標と言われ、GDPの基礎データにもなっている機械受注統計が発表された。4~6月期の受注見通しは、主要指標である「船舶・電力を除く民需」(季節調整済み)がマイナス3.5%、受注総額ではマイナス1.2%だった。
 機械受注とGDPにおける設備投資金額にはズレが生じることが多いが、傾向をつかむことはできる。やはり4~6月期も設備投資は低迷すると考えた方がよいだろう。

 今期はうるう年の影響があり、年率換算では1%ほど数字がかさ上げされている。この影響を除くと、実質的にはゼロ成長と考えてよい。多くの専門家がマイナス成長を予想していたことを考えると、ポジティブな数字ではあるが、GDPのトレンドが大きく変わったわけではない。

 消費が弱く、設備投資も低迷が続くということになると頼みの綱は財政ということになるが、今のところ大規模な財政出動は期待できない。
 安倍首相は伊勢志摩サミットで各国が協調した財政政策を打ち出す腹づもりだったが、ドイツや英国など各国の反対にあい、実現が難しくなったからである。このままの状況が続けば、4~6月期も今期と似たような結果となる可能性が高いだろう。

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