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形骸化が進む規制改革会議。唯一の目玉だった牛乳についても先送り

 

 政府の規制改革会議は2016年5月19日、規制改革に関する第4次答申の結果をまとめた。安倍首相が掲げる国内総生産(GDP)600兆円の目標達成に向けた起爆剤との位置付けだが、内容は小粒で、大きな効果が望めそうもないものばかりとなった。答申には「終わりなき挑戦」とのサブタイトルが付けられているが、そこには無力感すら漂っている。

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 今回の答申は、主に健康・医療、雇用、農業、投資促進、地域活性化の5分野が対象となっている。以前の規制改革会議は、成長戦略の司令塔としての役割が期待されていたが、安倍政権において規制改革がほとんど進んでいないことから、有名無実化が進んでいた。

 今回の目玉となったのは、牛乳の流通改革と民泊だが、どちらも個別の案件としては、しっかり検討すべき対象ではあるものの、GDP600兆円を目指す成長戦略の骨格となるような話題ではない。
 利害関係者が少ない、あるいは利害関係者の影響力が大きくない分野しか、規制改革の対象として検討することはできないため、消去法としてこれらが目玉改革になったとうのが現実である。

 現在、牛乳の流通については、農協がほぼ独占する状況となっている。その理由は、特定の団体に流通を一本化する「指定団体制度」が存在しているからである。河野太郎行政改革相は、この制度について「計画経済」だと批判し、答申の原案には指定団体制度の廃止が盛り込まれる予定だった。
 だが、7月の参院選を前に族議員が猛烈な巻き返しを図り、最終的には「廃止」という文言は削除された。答申では、指定団体制度について「検討する」とだけ記載されている。

 もうひとつの目玉は民泊だが、これも現状追認に終始する形となった。住宅地での営業を解禁すると同時に、年間の営業日数を180日以下で調整する。すでに民泊が普及してしまっている現実を受け、既存の業界団体との間で、中間的な結論に落とし込んだことは明らかである。今回の答申が出たところで、市場にほとんど影響はないだろう。

 安倍政権下では、成長戦略が立案されるたびに規制緩和のプランが提唱されてきたが、ほとんど進展はない。総論としては多くの人が賛同するが、各論になると反対意見が出てくることがその原因である。安倍政権には反対の声をはねのけてまで改革を進める意思はなく、答申を受け取るだけで終わっているというのが現実である。

 日本社会には網の目のように規制が張り巡らされている。これまで規制改革会議において議論の対象となった分野に何らかの形で利害関係を持つ日本人はかなりの割合に達すると考えられる。実は総論としても、規制緩和を求めていないというのが世論なのだろう。

 答申のサブタイトルには、「終わりなき挑戦」と書かれている。これは見方によってはすでに、規制緩和をめぐる動きが終わってしまったかのような雰囲気である。日本社会を覆う閉塞感は、実はこれからが本番なのかもしれない。

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