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日本市場の公平性に重大な悪影響!ルネサスのハチャメチャ出資計画がまとまる

 

 経営再建中の半導体大手ルネサスエレクトロニクスに対する政府系ファンドの出資計画がほぼまとまった。焦点と なっていたリストラされる従業員の対応については、ルネサスの母体企業で大株主である日立、三菱電機、NECの3社が人員の受け入れもしくは早期退職費用を支出することで合意した。12月初旬に正式な買収計画を発表する。

 ルネサスは当初、外資系ファンドが出資の名乗りを上げていたが、外資主導による苛烈なリストラを避けたいルネサス側がこれを拒否。結局政府系ファンドである産業革新機構とトヨタなどルネサスの顧客企業が温情出資する形で話し合いが進められてきた。
 だがルネサスは過剰な人員を抱えており、リストラは必至の状況。一方、リストラを迫ったと批判されたくない革新機構側は、こともあろうにルネサスの母体企業で大株主である日立、三菱電機、NECの3社に従業員を引き取るよう圧力をかけていた(本誌記事「従業員はゴミ?母体3社と産業革新機構でルネサス従業員を押し付け合い」参照)。
 3社のうち三菱電機は最大で数百人の従業員を受け入れる。従業員の受け入れを拒否していた日立とNECについては、早期退職の費用10億円を支出することで合意したという。

 ルネサスをめぐるこれら一連の動きは、日本の資本市場の透明性や企業統治(コーポレートガバナンス)に対して、今後、深刻な影響を与える可能性がある。

  まず、外資系ファンドを排除した理由が不透明である。外資系ファンドと政府系ファンドが条件を提示して争ったのではなく、外資系ファンドが条件を示したと ころ、それにルネサス側が反発し、条件の提示がないまま政府系ファンドの出資がなし崩し的に決まった。外資系ファンドにしてみればフェアな競争が阻害され ているわけであり、このような前例が重なれば、わざわざ日本企業に出資をしようなどという投資家はいなくなってしまうだろう。

 さらにまずいのが、国家権力によって企業統治がゆがめられている点である。リストラされる従業員の受け入れを要請された3社はルネサスに出資しているだけであり、ルネサスの従業員を引き取る義務はまったくない。だが政府系ファンドという事実上の「国家権力」の圧力に、3社は屈してしまった。
 日立とNECの2社は10億円の支出金で済ませており、現実的にはそれほど大きな負担になるわけではない。だが政府系ファンドの非公式な「圧力」によって、雇用という企業の根幹を成す経営判断を事実上強要された今回の事例は、もはや日本には自由市場は存在しないことを証明したも同然である。法的には何の権限もない政府系ファンドが、好き勝手に企業に対して従業員を雇用するしないを指示することができるのである。まともな感覚を持った投資家なら日本企業にはもう投資をしないだろう。

 日本は経済が完全に疲弊しており、自国の資金で株式を売買することができなくなっている。株式の売買シェアの実に6割以上が外国人投資家なのだ。だがこのような政府による暴力的でかつ非公式的な市場介入が続けば、その不透明さを嫌気して、頼みの外国人投資家さえも日本株に手を出さなくなるだろう。
 しかも暴力的な市場介入をしておきながら、確固たる意志を持って実施しているわけではなく「リストラしたと批判されたくない」という小役人的な発想から何となくそうなったという、あまりにも当事者意識の欠如した状況である。

 オリンパスの不正経理問題は結局うやむやにされた。証券会社によるインサイダー取引も同様である。形だけ株式市場を海外に開放しても意味がない。どうせなら、かつてのミャンマーの軍事政権のように、貧困を享受する代わりに、資本鎖国し証券市場など閉鎖してしまった方がよいのではないだろうか?貧乏はイヤだけど、フェアに取引きするのもイヤなどというワガママは世界には通用しない。

 - 政治, 経済

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