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3Dプリンタの普及で銃の自宅製造が可能に?日本で懸念されるヒステリックな過剰規制

 

 3次元データをもとに、立体的なオブジェクトを手軽に作ることができる3Dプリンタが安価に出回り始めたことで「モノ作り」に革命が起きると期待されている。
 自宅で少量生産された製品をネットで販売するという、まったく新しい製造業が登場すると指摘したクリス・アンダーソン(『ロングテール』や『FREE』といったネットにおける新しいビジネスモデルの提唱者)の新著『Makers』は発売前から大きな話題となり、このテーマに対する関心の高さをうかがわせた。

 だが新しい技術が登場すると、そこには当然、新しい問題も発生する。米国において3Dプリンタの普及で懸念されているのが、自宅で銃を製造できてしまうという問題である。

 銃のパーツに関する設計図があれば、それをパソコンに取り込み、理論的には3Dプリンタで部品を製造できてしまう。もっとも3Dプリンタは、薄く生成したプラスチック樹脂を塗り重ねて立体部品を作るの仕組みなので、金属の加工は無理だ。
 銃はよほど頑丈に作らないと破裂して自身が大怪我をする危険性があり、原則として主要部品は金属で作られる(一部強化プラスチックを使用するケースは出てきている)。理論的には3Dプリンタで銃を作ることは可能だが、十分な強度を得られるとは考えにくい。

 だが口径の小さい銃で、薬きょうに装填する火薬の量を半分程度に減らせば(ハーフロードと呼ぶ)、回数に限度はあるものの、実弾を発射できる可能性はある。
 実際、米国では、真偽の程は定かではないが、3Dプリンタで自作した22口径の銃で実弾200発を発射したとの報告もネットに出回っている。22口径という殺傷能力の低い銃ではあるが、実弾が発射できるとなるとそれが意味するところは大きい。米国では容易に銃が手に入るのであまりニーズはないかもしれないが、銃規制が厳しい国々の人にとっては魅力的に映る。
 米国では3Dプリンタで銃を作る設計図やノウハウを正式にネット上で共有しようというプロジェクトも立ち上がっており、資金も集まっている。普及は時間の問題かもしれない。

 おそらく米国では規制と自由をめぐって侃々諤々の議論が戦わされ、どこかの地点で社会的コンセンサスが得られると予想される。だが問題は日本である。日本はファイル交換ソフトWinnyを開発した金子勇氏が逮捕起訴された事例からも分かるように、包丁を使って人を殺傷した人ではなく、人を傷つけてもいないのに包丁を作った人が処罰される国家であり、民主主義と人権保護の原則が守られない。下手をすると3Dプリンタを作ったり売った人が逮捕されるという事態が生じかねないのである。

 そこまでいかなくても、処罰や社会的制裁を警戒して関係者が販売や情報共有を自粛する可能性がある。3Dプリンタによるモノ作り革命は、凋落した日本の製造業を復活させるカギになると一部からは期待されている。何でもかんでも「処罰する」という日本のうす暗い社会風潮が、また新しい産業を潰してしまい、日本の貧困化に拍車をかけることがないよう切に願いたい。

 - 社会, IT・科学

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