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ドルの調達コストが急上昇。日本は外貨での運用もできなくなりつつある

 

 日本の機関投資家が、資金を運用したくても運用する先がないという問題に直面し、悲鳴を上げている。国内では金利低下で財政規律が緩みつつあるが、この世界にフリーランチは存在しない。過度な金利の低下は、別のセクターにコストを転嫁しているに過ぎない。

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 日銀の量的緩和策以降、日本国債の利回りは急低下し、マイナス金利導入後はその傾向に拍車がかかっている。日本国債で運用していた機関投資家の一部は資金を米国債など外国の証券に振り向けてきた。
 資金が外貨に向かうことは、日銀がある程度想定してきたことであり、これによって円安が進むことが期待されていた面もある。

 ところが、ここに来て外貨での運用が難しくなってきている。その理由はドルの調達コストが急激に上昇しているからである。

 機関投資家が外貨で運用する場合、円資金をベースにドル資金を調達するケースが多い。日米では金利差があるので、円を元手にドルを調達する場合には、金利の差額を相手に支払うことになる。

 だが現実にはそれだけでは済まない。通貨には需給という問題があり、ドル資金に対する需要が多ければ、その分だけ上乗せをコストを支払う必要が出てくる。ドルに対する需要が増加したことから、追加コストが大幅に上昇しているのである。

 直近では1カ月の調達コストが1.5%程度まで上昇しており、この水準は10年物の米国債の利回り(約1.6%)に匹敵する。つまり、日本勢にとって米国債で運用しようと思っても、もはや利益がでない水準まで調達コストが上がってしまったのである。

 これは米国勢から見れば、円で投資をすることによって、黙っていても1.5%の利益が得られることを意味している。日本国債がマイナスの利回りになっているにも関わらず、海外投資家からの買いが続くことにはこうした背景がある。

 基軸通貨であるドルで運用ができる国と、もはやローカル通貨に成り下がってしまった日本円で運用するしかない国との差であり、現時点でこの差を埋めることはできない。唯一可能なことは、こうした事態を考慮に入れた上で、金融政策を決めることだけである。

 日本ではマイナス金利政策によって金利が大幅に低下し、財政に対する規律が急激に緩んでいる。消費増税を先送りした上に、大型の財政出動なども模索されている状況だ。しかし、金利が低下した分、どこかでその帳尻を合わせなければならない。
 今のところ、低金利は資産運用における日本の利益を失う結果をもたらしており、こうした状況は、じわじわと日本経済に影響を与えることになるだろう。

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