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市場は過剰反応?英国のEU離脱が決議されても、現実はそう簡単には進まない

 

 英国のEU(欧州連合)残留を問う国民投票が23日に迫っているが、最新の世論調査では残留派が離脱派をわずかに上回った。ただ、この結果は残留派の国会議員が射殺された影響が大きく、実際にどのような結果になるのかは予断を許さない。
 ただ、仮にEU離脱と決まっても、市場が警戒しているような壊滅的な状況にはならない可能性が高い。現実の離脱までには時間がかかることに加え、妥協案が成立する可能性も高いからである。

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 2016年6月18日に公表された世論調査会社「You Gov」の調査結果によると、残留支持は44%で、離脱支持派は43%だった。残留派が1ポイント上回ったが、これは射殺事件の影響が大きいとの見方が大半。実際の投票結果がどうなるのかは、予想がつかない状況となっている。

 為替市場や株式市場では混乱が続いているが、一連の市場の動きは過剰反応である可能性が高い。国民投票で離脱が決まっても、その後も紆余曲折が続く可能性が高いからである。

 現在、英国はEUに加盟しているが、通貨はユーロではなくポンドを採用している。英国にはもともと反EU感情というものが存在するが、離脱派が特に懸念しているのは、移民の流入についてである。EUという存在そのものに絶対的な拒絶反応を示しているわけではない。

 そうなってくると、仮に離脱が決議されたとしても、EUと英国との間には、交渉の余地がたくさんあるという解釈が成立する。

 例えばノルウェーは、EUにも加盟しておらず、独自通貨クローネを持っている。しかし、EU各国と同等の自由貿易を行い、EUの法制度を受け入れるとともに、EUに対する予算の拠出まで行っている。これは事実上、EUに加盟していることに等しい。

 離脱派の主な関心事が移民ということであれば、ノルウェーのように、EUには入らないものの、移民の制限という条項以外は、すべてEUに準じるという協定のあり方が可能となる。もし英国がノルウェー型の協定をEUと結んだ場合、経済的には、今とほとんど違いはない。

 また、EUを離脱するためには、EUに通告してから2年間の時間が必要であり、その間に協定の再交渉を行うことになる。今の時代における2年は長く、その間に世界経済の状況は大きく変わる可能性もある。

 英国がEUを離脱すれば世界経済に対する影響は大きいものの、すぐに危機的な状況に陥るというわけではない。状況を冷静に見守った方がよいだろう。

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