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異例の人事が続く財務省。実際は、通常の人事に戻すための布石か?

 

 財務省は2016年6月17日、幹部人事を発表した。事務次官だった田中一穂氏の後任には、佐藤慎一主税局長が昇格した。主税局長からの次官就任は非常に珍しく、異例の人事といわれている。

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 財務省ではこのところ定常状態ではない人事が続いていた。消費増税という財務省の悲願を達成するため、その司令塔であった勝栄二郎元次官(75年入省)が長期にわたって次官に就任していたからである。

 勝氏の後任には、真砂靖氏(78年)が就任したが1年で退任、その後、木下氏、香川氏、田中氏と79年入省の人物が連続して次官に就任するという前代未聞の事態となった。80年入省である佐藤氏は、本来であれば退任となってもおかしくないが、次官就任を果たした。

 佐藤氏は軽減税率をめぐって調整に手間取り、一時、官邸との関係が悪化したともいわれている。また次官には主計局長から就任するケースが圧倒的に多く、主税局長からの昇格は1981年以降例がない。それにもかかわらず、佐藤氏を次官に就任させた背景には、通常の人事に戻したいという省としての強い意向があったと考えられる。

 人事に歪みが出てしまうと、官庁は政治からの介入を受けやすくなる。こうした事態を防ぐためには、官庁主導の定常的な人事が続くことが望ましい。消費増税に失敗した財務省としては人事を最優先した可能性が高い。

 主計局長の福田淳一氏(82年)、官房長の岡本薫明氏(83年)、総括審議官の太田充氏(83年)はすべて留任となった。福田氏と同期の迫田理財局長は国税庁長官となったので、次官に昇進する可能性は極めて低い。佐藤氏が1年で退任し、主計局長の福田氏が昇格する可能性が見えてくる。

 もし福田氏が次の次官に就任し、1年での退任という形になれば、徐々に従来型の人事パターンに戻っていくことになる。将来の次官候補として重要なポストとなる主計局次長は、85年の可部氏が留任、同じく85年の藤井氏が内閣から戻り、86年の茶谷氏が続く布陣となった。
 消費税増税をめぐっては、すべてが官邸主導で進み、財務省はほとんど影響力を行使できなかった。とりあえず、守りの姿勢で体制を立て直すといったところだろうか。

 佐藤氏は1980年東京大学経済学部卒業。同年、旧大蔵省入省。秘書課長、総括審議官、官房長を経て2014年から主税局長を務めている。大阪府出身。

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