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論点整理。英国のEU離脱が世界経済に与える影響は3段階ある

 

 EU(欧州連合)からの離脱の是非を問う英国の国民投票で、離脱派が予想外の勝利を収めた。円相場は一時、1ドル=100円を割り込み、日経平均も1300円近く下落した。世界経済への影響を懸念する声があちこちから聞こえるが、議論は少々混乱気味となっている。ある程度の交通整理が必要だろう。

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 短期的な影響が懸念されるのはやはり金融市場である。事前予想は、残留支持派が僅差で勝利という内容が多かったため、市場は完全に残留を織り込んでいた。それだけにショックは大きく、これが株価の大幅な下落につながっている。

 ただ、一連の株価下落が金融危機を引き起こす可能性は低い。各国の中央銀行は国民投票の実施にあり、ドル供給のスキームについて事前協議を行っている。仮に決済用の外貨が不足する事態となった場合でも、各国が協調してこれに対応するだろう。
 もっともヘッジファンドや機関投資家は、今回の株価下落によって大幅なポジション調整を迫られることになる。一連の調整が終了するまで、金融市場は混乱する可能性が高い。いずれ市場は落ち着くが、2番底には警戒した方がよいだろう。

 次に懸念されるのは経済的な影響だが、これには二つの側面がある。ひとつは英国の離脱が経済に与える直接的な影響。もうひとつは、一連の株価下落が間接的に経済に与える影響である。

 英国のEU離脱は政治的には大きな出来事だが、経済面での影響は小さいかもしれない。英国は間もなくEUに対して離脱を宣言するが、実際に離脱するまでには2年間の猶予がある。
 その間に英国はEUとの新しい協定について交渉することになるが、協定内容が明らかになるまでは、経済的な影響がどの程度なのかは分からない。場合によっては、現状と大きく変わらない可能性もあり、少なくとも交渉の結果が明らかになるまでは、経済の枠組みが大きく変わることはないだろう。

 一方、間接的な影響は意外と大きいかもしれない。米国はリーマンンショック後、すでに景気拡大が8年続いている。専門家の中にはそろそろリセッション入りしてもおかしくないと指摘する人もいる。
 こうした状況で、離脱による株価下落というイベントが発生すると、それをきっかけに下落相場が始まり、実体経済に影響を与えてしまう可能性もある。つまり別の経済的要因について英国の離脱がトリガーになってしまうというパターンである。

 このところ世界経済は成長鈍化の懸念が顕著になっているほか、中国の景気失速など不安定要素が大きい。少なくとも今回の離脱が米国の利上げペースに影響を与えることは確実である。深刻な状況に陥る可能性は低いが、各国の投資家にとっては動きづらい状況が続くことになる。

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