ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

日銀が物価目標の再度先送りを検討中。実施されれば何と5回目

 

 日銀が今月開催する金融政策決定会合において物価目標の見通しを引き下げ、物価目標の達成時期についても再度、先送りするとの観測が高まっている。今回、達成時期の先送りを行うと量的緩和開始以来、5度目となる。

nichigin

 日銀は2013年4月の金融政策決定会合において量的緩和策の導入を決定した。2%の物価目標を達成する時期としては、当初は2年としていたが、2014年4月には「2015年度を中心とする期間」と、含みを持たせた表現に変更していた。

 ところが2015年4月に「16年度前半ごろ」と変更し、2年の物価目標を撤回。2015年10月に「16年度後半ごろ」、2016年1月に「17年度前半ごろ」、さらには2016年4月に「17年度中」と4回の先送りを実施してきた。今回先送りを実施した場合、5回目ということになる。

 ここまでくると、物価目標という政策そのものが実質的に意味をなくしてしまう。中央銀行に対する信任というものを考えた場合、そろそろ抜本的な見直しを検討するというのも選択肢の一つとなってくる。

 ちなみに、日銀が4日に発表した、6月末時点におけるマネタリーベースの残高は403兆9327億円と7カ月連続で過去最高を更新した。量的緩和策実施前と比較するとマネタリーベースは2.8倍に増加したが、マネーストックは前年同月比プラス2%台という状況が続いており、十分にマネーが行き渡っているとはいえない。

 仮に追加緩和を決定した場合、短期的には市場に対して効果を与えるかもしれないが、追加緩和の実施は、日銀が量的緩和を実施できる期間の短縮につながってしまう。長期的にはマイナス面も大きい。

 このタイミングで量的緩和の縮小は難しいという現実を考えると、物価目標の撤回は、緩やかな撤退戦略の有力候補となるかもしれない。

 - 経済 , ,

  関連記事

kokubohakusho
中国が国防白書を発表。その内容を日本人はどう解釈すべきか?

 中国政府は4月16日、国防白書を発表した。アジア太平洋地域に対する軍事的シフト …

setubitousi
企業の業績拡大が中小企業にも波及。ただ設備投資は公共事業の依存度が高い

 財務省は2014年6月2日、2014年1~3月期の法人企業統計を発表した。売上 …

no image
EUが金融取引税(トービン税)の導入を決定。欧州はルビコン川を渡ってしまった

 欧州連合(EU)は9日、ルクセンブルクで理事会を開き、金融取引税(いわゆるトー …

timcook
株価暴落と現金退蔵問題にも関わらず、Appleの株主総会が平穏だったワケとは?

 大幅な株価の下落と12兆円にも達する現金の保有で市場の関心を集めていた米App …

airport
先進国と新興国の人材移動が活発に。グローバル時代の厳しい現実

 経済危機の長期化とグローバル経済の進展によって、先進国と新興国の間における人の …

okane
家計の金融資産は過去最高。ただ、株式シフトはすでにピークを過ぎた可能性も

 日銀は2014年9月18日、2014年4~6月期の資金循環統計を発表した。6月 …

restaurant
米国の一部で広がるチップ廃止の動き。その背景にあるのはグローバル化?

 レストランにおけるチップの習慣を廃止する動きが米国の一部で広がっているとニュー …

toyota201603
トヨタが営業利益40%減の業績見通し。実は販売台数が年々減少しているという事実

 トヨタ自動車は2016年5月11日、2016年3月期の決算を発表した。予想通り …

chokusetsutoshi001
加速する日本の海外投資。所得収支の増加に貢献

 日本の海外投資が加速している。財務省によると、2013年末における日本の対外純 …

apple
Appleの最終決算は利益率低下の影響が一旦収束。株主還元への注目がさらに高まる

 米アップルは10月28日、2013年7~9月期決算および2013年9月期の通期 …