ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

IMFが世界経済の最新見通し。英国離脱も意外と景気は底堅い?

 

 IMF(国際通貨基金)は2016年7月19日、最新の世界経済見通しを発表した。2016年の世界経済の成長率見通しは、物価変動の影響を除いた実質でプラス3.1%となり、4月時点の見通しから0.1ポイント引き下げられた。
 英国のEU離脱が市場や実体経済に与える影響が考慮され下方修正となった。現時点では、それほど大きなマイナスになるとは予想されておらず、離脱の影響は最小限にとどまる見通し。ただ離脱の影響については10月の見通しでより詳しく分析される予定。

IMF201607
 IMFでは毎年4月と10月に世界経済の見通しを発表している。さらに7月と1月には、各見通しの修正を行っている。
 前回の見通しでは、世界経済を牽引する米国の景気に陰りが見え始めていることや、中国の景気失速の影響が続いていることなどから、成長率は0.2ポイント下方修正されていた。

 これまでのところIMFの見立て通りに世界経済は進んでいたが、英国のEU離脱によって不確実性が増すことになった。こうした環境下では投資が抑制される可能性があり、それが実体経済にも影響を及ぼすことが懸念される。今回のアップデートではこうした状況が反映され、さらに0.1ポイントの引き下げにつながった。

 本格的な分析は10月の見通しということになるが、現時点で英国とEUの協定が変化したわけではない。再交渉の結果がはっきりするまでは、実体経済への影響は、あくまで不確実性によるものにとどまることになる。その点では、今回の下方修正は現実的なレベルといってよいだろう。

 国別では、米国が0.2ポイント下方修正されてプラス2.2%に、ユーロ圏については逆に0.1ポイント上方修正されてプラス1.6%になった。このところ欧州の景気は上昇傾向が顕著となっており、これが数字に反映された。ただ2017年については離脱の影響から0.2ポイント下方修正し、プラス1.4%としている。

 英国は0.2ポイント下方修正されプラス1.7%になった。ただ2017年については0.9ポイントの下方修正となっており、プラス1.3%まで下がる見通し。
 日本は0.2ポイントのマイナスでプラス0.3%だった。日本の場合は、離脱問題というよりも、国内的要因と考えた方がよいだろう。消費が停滞していることが響いている。

 中国は、当局による政策対応が効果を発揮していることなどから、0.1ポイント上方修正されプラス6.6%になった。インドは0.1ポイントの下方修正だがプラス7.4%と7%台を維持している。中国景気が多少、好転していることは世界経済に対して安心感を与えている。

 米国が景気後退に陥らず、中国の景気も反転すれば、英国のEU離脱という悪影響があっても、世界経済の状況はそれほど悪化しない可能性もある。離脱問題によって不確実性は高まったものの、今のところ、世界経済は意外と底堅く推移している。

 - 経済 , , ,

  関連記事

gekyutoki
GEが家電部門を売却交渉。金融部門の分離に続いて、インフラ事業への集中が加速

 スウェーデンに本社を置く、欧州の家電大手エレクトロラックスは2014年8月14 …

tokyowan
10~12月期GDPはマイナス成長。打つ手がなく、日本経済はいよいよ袋小路に

 内閣府は2016年2月15日、2015年10~12月期のGDP(国内総生産)速 …

no image
ルネサスの早期退職に希望者殺到。支払うお金がなくなっちゃった!

 経営再建中の半導体大手ルネサスエレクトロニクスの早期退職プログラムに7511人 …

satsutaba
企業が溜め込む内部留保の還元は、アベノミクスを成功させるカギとなる

 アベノミクスに関する議論が活発化する中、企業が確保している内部留保に再び注目が …

orbital
日本の宇宙開発は、中韓との消耗戦を強いられている電機業界と同じ運命を辿る?

 日本では新型固形燃料ロケット「イプシロン」の打ち上げ成功が話題となったばかりだ …

glp
J-REITが日経平均をはるかに上回るパフォーマンス。背景にあるのはインフレ期待?

 不動産投資信託(J-REIT)が好調だ。年初850円前後だった東証REIT指数 …

Thatcher
構造改革路線の生みの親、英国のサッチャー元首相が死去

 英国の元首相で「鉄の女」ともいわれたマーガレット・サッチャー氏が4月8日、脳卒 …

greekyogur
EUなんて幻想?ギリシャの有力企業が相次いで本社を国外に移転し、空洞化が加速

 経済危機が続くギリシャで有力企業の本社を国外に移す動きが出てきている。10月に …

jutakugai
再来年に迫った相続税増税で住宅保有者は大慌て。だが今後も資産課税強化は続く

 2015年1月に迫った相続税の増税が住宅保有層における懸案事項になってきている …

keizaizaiseihakusho
日本企業は効果の薄い新技術ほど導入に積極的?

 政府は2017年7月21日、2017年度版「経済財政白書」を公表した。今回の白 …