ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

アマゾンが日本でも読み放題を開始。音楽業界の二の舞にはならない可能性が高い

 

 アマゾンジャパンは2016年8月3日、電子書籍の定額読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」を開始した。米国などではすでに同様のサービスがスタートしており、日本は12カ国目になる。
 音楽の分野では、定額の聴き放題サービスの登場で市場の構造が劇的に変化した。だが日本だけはいまだにCDの販売が中心で、世界市場から完全に取り残された状態にある。書籍の分野で読み放題が定着するのか市場関係者は注目している。

kindleunkimited

 キンドルアンリミテッドは、月額980年で12万冊以上の書籍やコミック、240誌以上の雑誌、120万冊以上の洋書が読み放題になる。キンドルでは46万冊の和書が販売されているので、全体の約4分の1が読み放題の対象となった。

 ベストセラーの作品も含まれており、たくさん本を読む人にとってはかなりの割安感がある。ただ、発売から半年以内の作品はほとんどなく、このあたりをどう考えるかが利用者にとっては分かれ目となりそうだ。コミックについては人気作品の一部だけに限定して読み放題とし、続きの購入を促す形となった。

 アマゾンは以前から日本でも読み放題のサービスを提供することを目論んでいたが、出版社との交渉が難航したといわれている。有力な出版社が参加しない状態では、中途半端なサービスに終わってしまうからである。

 最終的には、講談社と小学館という出版業界でもっとも影響力のある最大手2社が参加したほか、文芸春秋、新潮社、幻冬舎の文芸有力3社も名前を連ねた。ビジネス分野ではダイヤモンド社、東洋経済新報社が参加しており、読み放題のプラットフォームとしてはまずまずの滑り出しといってよいだろう。ただ小学館系列(一ツ橋グループ)では集英社が参加していないほか、KADOKAWAも参加を見送った。

 音楽業界では定額聴き放題サービスの先駆けとなったスポティファイが、レコード会社各社との交渉がまとまらず日本に進出できないという異常事態になっている。国内では数社が聴き放題のサービスを提供しているが、曲数が少なく、十分に普及しているとは言い難い状態だ。

 その点でアマゾンジャパンは、大手との交渉をうまくまとめており、音楽業界のような形にはならない可能性が高い。読み放題サービスの定着は、読書の習慣や購買行動を大きく変えるといわれている。日本での今後の展開が注目される。

 - 経済, IT・科学 , , ,

  関連記事

sharp
シャープがLIXILなどに出資要請との報道。シャープペンシルの時代に逆戻り?

 経営再建中のシャープが、複数の事業会社に対して出資要請を検討していることが明ら …

abeseichou02
成長戦略に関する議論を大胆に整理してみると・・・・話は意外と簡単だった

 アベノミクスにおける3本目の矢である成長戦略の迷走が続いている。当初、成長戦略 …

bitcoin
ビットコインの分裂騒動は、真の金融インフラになれるのかの試金石

 仮想通貨ビットコインが8月1日に分裂するのではないかという騒動が発生している。 …

jinkousinzo
体内埋め込み型の人工心臓が仏で臨床試験開始。実用化できれば画期的

 フランスの医療器具メーカーであるCarmat社は2013年12月20日、体内埋 …

kindorupaper
いよいよキンドルが日本上陸。自費出版サービスもスタートし、出版社は戦々恐々

 アマゾンがとうとう電子書籍端末「キンドル」を国内で販売開始する。同社の日本法人 …

toshiba02
東芝不正会計問題で新日本監査法人に重い処分。スケープゴート捜しの声も

 東芝の不正会計を見過ごしたとして、同社の監査を担当していた新日本監査法人に重い …

facebookdown
フェイスブック利用者が近い将来一気に8割減という予測は現実的なのか?

 フェイスブックは伝染病のように消え去るという研究者の予測が話題となっている。フ …

pentagon
米国防総省がサイバー攻撃能力を強化。だが実態は既存システムの防御で手一杯

 米国防総省は、コンピュータ・システムを使った軍事活動を行う「サイバー司令部」を …

hitachiturbin
三菱重工と日立が火力発電事業を統合。だが肝心の技術でトラブルが続き前途多難

 三菱重工業と日立製作所は6月11日、火力発電事業の事業統合に関する基本契約書を …

tusruga
敦賀原発の活断層の解釈をめぐって不服申請。活断層の解釈はもはや「言葉遊び」

 日本原子力発電(日本原電)は7月16日、原子力規制委員会に対して行政不服審査法 …