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過労?プレッシャー?中国空母艦載機の開発責任者が着艦成功直後に心臓発作で急死

 

 中国初の空母「遼寧」の艦載機開発プロジェクトの総責任者が、発の発着艦訓練に成功した直後、心臓発作で急死していたことが明らかになった。

 死亡したのは、中国航空工業集団傘下の瀋陽飛行機工業集団社長の羅陽氏(51)。羅氏は瀋陽飛行機工業に入社以来、航空機開発一筋のエンジニア。中国では初の空母「遼寧」において使用する艦載機「殲(せん)15」を開発するプロジェクトが進行しているが、羅氏はその開発責任者を務めていた。殲(せん)15はロシア製の戦闘機をベースにしたもので、瀋陽飛行機工業がその改造を請け負っている。

 中国は日本や米国に対する牽制から空母「遼寧」の存在を積極的に外部に宣伝している。艦載機が発着艦できなければ、中国のメンツは丸つぶれになる。まさに国家の威信がかかったプロジェクトであり、失敗が許されない状況であった。羅陽氏には相当のプレッシャーがかかっていたと考えられる。

 実はかつて日本でも似たような状況があった。太平洋戦争前後、ゼロ戦や戦艦大和の開発責任者には尋常ではないプレッシャーがかかっていた。
 ゼロ戦の設計責任者として知られる堀越二郎氏は、東京帝国大学から現在の三菱重工に進んだ航空機エンジニアである。三菱は中島飛行機(現スバル)と共に、日本の戦闘機開発を一手に引き受けていた軍需企業である。今回死亡した羅氏が属する中国航空工業集団とまったく同じ立場ということになる。

 ゼロ戦に対する軍部からのムチャ振りはすさまじく、物理的限界などお構いなしの要求が次々と出されてくる。すべてを盛り込むことなど到底不可能だが、国家の威信をかけたプロジェクトに対して「実現できません」とは口が裂けてもいえない。堀越氏には尋常ではないプレッシャーがかかり、何度もぶっ倒れた。幸い命までは失うことはなかったが、まさに身を削る仕事だったという。

 一方、合理主義的な米国は、墜落したゼロ戦を分解して徹底検証。あまりの緻密さに同じような戦闘機を作るのは非合理的と判断。1対1で勝てないなら、2対1にすればよいということで、ゼロ戦には劣るものの、そこそこの性能の戦闘機を大量生産。ゼロ戦とは必ず2機ペアで戦う戦法を採用して、結局米国側の圧勝となった。

 中国における軍の開発の最前線は、太平洋戦争当時の日本のような状況になっているのかもしれない。だが中国が空母を本格的に運用するためには、まだまだ超えなければならないカベは大きい(本誌記事「中国初の空母遼寧が着艦に成功。だが中国の空母運用が前途多難なワケとは?」参照)。それまでには第二、第三の羅陽氏というあらたな犠牲を伴うのかもしれない。

 - 政治

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