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コンサート・チケットの高値転売問題がネットで激論。音楽業界には知恵が必要

 

 コンサート・チケットの高値転売をめぐってネットで激論となっている。高値転売を防ぎたければ、チケットをもともと高く売り出せばよいのだが、そうもいかない事情が音楽業界にはあるようだ。

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 議論の発端となったのは、音楽関係の諸団体が、チケットの高額転売に反対する意見広告を新聞に掲載したこと。賛同するアーティストには、サザンオールスターズ、DREAMS COME TRUE、B’z、Mr.Childrenなど大御所が名前を連ねている。

 音楽団体では、チケットの買い占めや高値転売が横行すると、本当にコンサートに行きたい人がチケットを手に入れられなくなるとして、これに反対する姿勢を明確にした。

 しかし、この声明に対しては経済学者など経済やビジネスの専門家からは異論が続出した。経済学的に考えれば、高値転売は典型的な需要と供給のミスマッチであり、もともと高い値段でチケットを売り出していればこのような問題は発生しない。専門家の見解はある意味ではごく当たり前のものといってよいだろう。

 旧態依然とした一部の関係者を除けば、こうした経済メカニズムを音楽業界側がまったく理解していないわけではない。ところが音楽業界には特有の事情があり、そう簡単にはいかないようだ。

 国内の音楽販売は減少の一途を辿っており、CDの販売やダウンロードではアーティスト側は十分な収益を上げることができない。一方、コンサートやライブは比較的堅調であり、彼等にとってはこうしたイベントが唯一の収益源となっている。

 だが、全体として縮小市場であることに変わりはなく、当事者には利益の最大化とは別のモチベーションが発生することになる。それは、儲からなくてもよいので、同じビジネスを長い間続けたいというものである。

 チケットを高値で販売すれば、短期的には最大の利益を上げることができるが、経済力のないファンは離れていってしまうかもしれない。現在のように抽選制を続けていれば、経済力がない人も、長期間、ファンとして活動してくれる可能性が見えてくる。利益を最大化したところで得られる金額はたかが知れており、むしろ同じ活動を長く続けることを優先した方が効用が大きいとアーティスト側が判断している可能性は高い。

 これは市場メカニズムというより一種の共同体社会だが、縮小市場においては、十分にあり得る話である。

 しかし、抽選制である限り、抽選に外れた人の中から、高いお金を払ってでも転売サイトで買うという人が出てくることは避けられない。高値転売をやめるよう求めても、ほとんど意味はないだろう。

 確かに音楽業界には特殊な事情があるわけだが、アーティストや主宰者に企業努力が足りないのも事実である。ITを活用すれば、スマホなどを使って転売できないチケットを販売することは簡単であり、顧客の囲い込みも容易なはずだ。
 従来と同じ販売手法や販売チャネルを維持したいが、転売は困るというのは、やはり業界のワガママだろう。企業努力が求められるのは音楽業界も同じなはずである。

 - 社会, 経済 ,

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