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無意味な米兵の外出禁止令。問題の本質を隠す意図があるのでは?

 

 在日米軍兵士による事件が相次いでいることを受けて、在日米軍では外出禁止に加えて、とうとう夜間の飲酒禁止令まで発令した。

 今年10月、沖縄県において米兵による集団強姦事件が発生したことを受け、在日米軍は午後11時から翌朝5時にかけての夜間外出禁止令を出している。だがその後も、禁止令を破って外出する例が後を絶たず、泥酔した米兵が住居に侵入してそのまま寝込む事件や室内にいた中学生を殴る事件などが発生していた。
 今月23日には海軍の兵士が酒に酔って横浜市内の漫画喫茶内を全裸で歩き回ったとして公然わいせつ罪で逮捕された。この事件を受けて、在日米海軍は外出禁止に加え、夜間の飲酒も禁止する措置を発表した。
 この命令は在日アメリカ海軍司令部と、第7艦隊に所属するすべての兵士が対象で、休日も適用されるという。在日アメリカ海軍司令部は「事件が再び起きることがないように必要な措置をとった」とコメントしている(ちなみに陸軍では飲酒禁止措置は取っていない)。

 米兵による犯罪は許されるものではないが、一連の外出禁止、禁酒措置は無意味ではないかとの声も多い。23日に逮捕された海軍の兵士は、横須賀基地所属の米空母「ジョージワシントン」の乗組員。同艦は長期の航海を経て今月20日に横須賀基地に帰還したばかり。

 米軍では乗艦中の飲酒を一切禁止しており、艦船には酒類は搭載されていない。厳しい環境で任務についてきた若い兵士が、上陸後、酒を飲んで多少ハメをはずすのは、やむを得ないことである。

 米軍との不平等な地位協定により、米兵の犯罪を日本で裁けないなど解決すべき課題は大きい。だが不祥事が起こったことで米兵の外出を禁止し、それを破ったからといって批判するという構図は、コトの本質を完全に見誤っている。というよりも、本質的な問題を議論の俎上に載せたくない米国側が批判の矛先をそらすために行っている一種の世論誘導ともいえる。

 外出禁止令を破った米兵と軍の対応を批判しているだけでは、米国側の思う壺なのである。加えていうと、米兵の行為を批判しているフリをしている防衛省や外務省の官僚にとっても、実は好都合であるということも国民は知る必要がある。地位協定の見直しなど、ハードな交渉はしたくないというのが、彼らのホンネなのだ。

 - 政治

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