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セブンが600億円の減損。旧体制における「負の遺産」整理に着手

 

 セブン&アイ・ホールディングスは2016年10月6日、2016年3~8月期(半期)決算を発表した。総合スーパー事業や百貨店事業の不振から約600億円の減損が発生しており、当期純利益は前年同期比で6割減となった。同社はそごう神戸店など3店舗をエイチ・ツー・オーリテイリングに譲渡する計画も併せて発表している。

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 総合スーパーのイトーヨーカドーと百貨店のそごう・西武の不振は以前から明らかになっていた。だが、主力のコンビニが好調だったことに加え、同社躍進の立役者である鈴木敏文前会長がトップに君臨していたことから、あまり大きく取り上げられることはなかった。

 その鈴木氏が、事実上の辞任に追い込まれたことで風向きが変わった。後任トップとなった井阪隆一社長は本格的なリストラに着手。今回はその第一段ということになる。

 そごう・西武は鈴木氏の決断でグループに取り込んだ店舗だが、最近は婦人服や高級品などの販売不振が続いていた。今期の決算では店舗に関する減損で122億円、のれんに関する減損で334億円の損失を計上する。イトーヨーカドーも、現在、不採算店舗の閉鎖を進めている最中であり、今期は150億円の減損となっている。
 この結果、今期の当期利益は前年同期比6割減の334億8000万円となり、通期(2017年2月期)での純利益見通しも同5割減の800億円にとどまる予定。

 井阪氏は今回のリストラについて「鈴木前会長には報告していない」と発言しており、自らの判断で実施したという点を強調した。また、鈴木氏の長男である康弘氏が責任者を務めるオムニチャネル事業についても、失敗だったとしている。

 今回、鈴木氏が辞任するきっかけのひとつとなったのは、長男へのトップ世襲問題だが、井阪氏の発言からは、従来の経営体制にけじめを付けたいという意向が強く滲み出ている。

 今回、百貨店の譲渡が決まったことで、同社は少し身軽になったが、祖業である総合スーパー事業の見通しは不透明だ。今後のイトーヨーカドーについて、どのようなシナリオを描けるのかが、井阪体制の成否を握るカギとなるだろう。

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